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私が言ってもマージナライズされてだめだったのですが、当時のホワイトハウスのカウンシル・オブ・エコノミックアドバイザーズ(CEA)のジョセフ・ステイグリッツ・・今は世界銀行の副総裁になっておりますけれども・・彼がメキシコのケースをみて、資本市場の自由化は負易の自由化とは全く違う、貿易の自由化は、国際収支が悪くなれば、また閉じてもそれほど影響はないが、資本市場の場合は、いったん開けてしまって閉じると、国際信用を失ってキャピタル・フライトがある、性格が全然違うのだということを言って、OECDにショックを与えたわけです。そこで、韓国がOECDに加盟する時に、また、資本の自由化が大変大きな問題になったわけです。韓国はメキシコのケースをみて非常に怖がっていたわけですけれども、やはリOECDはプッシュして開けさせたというケースがあるわけです。

スティグリッツは、今、世界銀行で、かなり声を大にして、エマージングエコノミーズのファイナンンシャル・マーケットの自由化というのは非常に慎重であるべきだ、ブルーデントであるべきだと主張しています。リチャード・クーバーという、当時CIAの、ナショナル・セキュリティー・カウンシルのチェアマンは、今、ハーバードに帰っておりますが、彼も最初は、グローバル化のもとで一番大きな問題は、恐らく石油の危機だ、エネルギーの危機だということを考えていたわけです。その後、これは代替エネルギーの問題で、それほど大きな問題ではないかもしれないけれども、恐らく、グローバル化のもとで一番早く起こってくる問題はファイナンシャル・マーケットクライシスということになりました。これは、エマージング・マーケット・エコノミーで、資本市場が成熟していない国では起こり得るということでした。

OECDでも、アジアとセキュリティーマーケット、証券市場の様々な問題を取上げました。アジアの有識者は、我々はマーケットシステムも進んでいて、自由化したいのだが、1987年のブラックマンデーのようなことはやりたくないと考えていたようです。それから、東京の市場をみても、余リフラクチュエイトすることがいいことかどうか、アジアはやはリグラジュアル・シフトにもつていた方がいいというのが彼らの一般的な意見だったわけです、けれども、当時、IMFもOECDも、非常に強くアジアの資本市場の自由化を進めた。

ただ、BISは、中国とかインド、あるいはアジアのエマージングエコノミーズを加えて、バーゼルで、ファイナンシャル・マーケットのシステム・リスクを抑えるノウハウを検討しております、けれども、これでもなかなか間に合わないわけです、大変な経験が要るわけです。そこで、OECDで考えておりますのは、マルチラテラル・サーベランス、多角的なサーベランスシステムというのを何か作らないといけないということです。IMFのシステムは、余りにも時間がかかり過ぎるます。そこで、アジアの場合には、日本がイニシアテ

 

 

 

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