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国の危機にとどめられました。今回は、よくいろいろな専門家がコンテイジャスということをいっています。タイから始まったのが次から次に伝播してますそのメカニズムは、やはリグローバル化された中での資本の動きが、危機を次から次へと伝播させている面があるのではないでしょうか。危機の本質がそういうことなのかどうか、もしそういうことが本質だとしますと一国だけでコンテインできた金融為替危機に対応するために作られたIMFの従来のスキームは、コンテイジャスな危機に対しては有効でないのかもしれません。現実に、IMFのやり方では、これだけ多くの国の危機に対して、従来と同じコンディショナリティーを要求しています。アジアにデフレ経済が急激に広がっています。従来と同じソリューションが可能なのでしょうか。IMFが新たな間鹿をつくり出しているのではないか、インターナショナル・マネタリー・フエイリア(InternationalMonetaryFailure)、IMFだ、という議論も出ておりまして(笑声)、恐らく、グローバル化の中での新しい通貨金融危機という要素が必ずあると思います・もしそうだとすれば、それへの政策アプローチをどう考えたらいいのか、皆さんにお伺いしたいと思います。

○司会  非常に具体的な質問をいただきましたけれども、パネリストの方から、どなたでもお答えいただきたいと思います。谷口さん、どうぞ。

○谷口  先ほども申し上げましたが、私は、まずメキシコのケースだけをみておりましたが、これは1994年です。その時も、実はさっき小島さんがおっしゃった面、メキシコだけにとどまったという面はありますけれども、ラテンアメリカは、テキーラ・エフエクトというのに大変な恐怖感を感じたわけです。

1994年末にアルゼンチンを訪問したとき、当時の経済大臣であるカバロは、シカゴ・スクールで大変なリベラリストで、カバロ・プランというのは、まさにアルゼンチンのインフレをおさめるために、1ペソと1ドルをぺッグしたのです。タイもそれをやったわけですが、当時は、ペッグ・システムというのは決して悪いものではなかったわけです。今回の通貨危機の場合にそれが問題になっているわけですけれども、当時はベッグ・システムというのは、アルゼン経済、チリ経済を安定化させる1つの非常に大きな要素になっていたわけです。当時、メキシコの危機はラテンアメリカに大変な恐怖感を与えて大変な騒ぎになったのですけれども、IMFが割合に早くメキシコで手を打ったのと、日本を始めアメリカも大変な協力をしたため伝搬を防いだわけです。

OECDでみていると、OECDはもちろんグローバライゼーションのプロモーターですから、OECDにメキシコが加盟する時に、資本市場の自由化というのは1つのバリア、参入障壁になるのです。メキシコはラティーノですから、オーケー、何も問題ないということで加盟したわけです。けれども、その時やはリOECDの事務局の中では、私はエコノミストではないということで

 

 

 

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