するか、そして危機が発生した場合に如何に早く解決するか、ということであります。そうしないと、今回のアジアのケースのように、急速に他に広まっていくわけです。
以上のような討議が行われましたが、御質問があれば、更に説明したいと思います。
○司会 ありがとうございました。今、話があったように、グローバライゼーションには光と影の両面がある。その影の部分というのは、これまで余り議論になっていなかった面ではなかろうかというのが1つの中心的な論議の対象であったと思います。
それから、途上国との関連において、アフリカ、特にサブサハラの開発というのが非常に難しいということです。一体これにどうやって取り組むべきかというのが大きな議論を呼んだ点であったということをご報告したいと思います。更に、最後にキャピタル・マーケットのリベラリゼーションとの関連が議論されたという報告がありましたけれども、メキシコがOECDに加入した直後にメキシコの通貨危機が生まれ、韓国が今年OECDに加盟した直後に、韓国の経済的な困難という事態が発生していることが、非常に皮肉なことであると同時に、国際機関、あるいは国際的な組織がどうあるべきかという問題を提起しているという指摘がセッションの中であったということをつけ加えておきたいと思います。
今、国際的なマージナリゼーション、影の部分が問題になりましたと同様に、今度は国内的にもグローバライゼーションが光と影を伴うわけで、その点が第3セッションのテーマでありました。グローバライゼーションが、ソーシャル・コヒージョンとの関連において取り上げられたと考えていただければいいと思います。ヴァイゲルトさんからその問題についての報告をお願いしたいと思います。
○ヴァイゲルト ありがとうございます。小堀さんが指摘くださいましたように、このソーシャル・コヒージョン、社会の一体性というのは、間違いなく複雑な問題です。この槻念は、依然として、国民国家をベースにしています。1国民国家における、政治的、経済的、社会的システムに関する概念です。国際的なレベルで谷口さんが触れたのと同じで、国内のレベルで如何にしてマージナライゼーションを防止するか、という概念です。
それは、社会的な一体性、社会的な正義、社会的な平和の相互依存を主たる目標としています。それを満たすためには幾つかの条件が必要であります。まず、法的枠組みの設定が必要であります。そして、機能しうる規制制度も必要でありますし、納税者つまり社会的貢献・拠出をする人たちと、その社会システムから恩恵を受ける人々との間に、バランスをとることも必要です。