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2つ目の点ですが、国際協力は重要ではあるが、どのような形の国際協力なのかということも同じように重要であると指摘されました。それはハーモナイゼーションではならない、つまりすべての国を同じ型に当てはめて、どの国も全く同じような形で、そのプロセスの申に引っ張るようなものであってはならないという指摘でした。各国は、自分たちの協力のあり方を選べるようにすることで、コミュニケーションと便益をアシストできるのです。

大変エキサイティングなセッションで、我々全員が多くのものを得ました。

○司会  イープスリーさん、ありがとうございました。

今、イープスリーさんの報告の中であらわれました川本明氏のことを若干説明いたします。川本氏は現在、OECD事務局で貿易自由化審査課長をしておられます。通産省からの出向です。現在、OECDで規制制度改革プロジェクトを担当しておられる立場でペーパーを提出していただきました。それが、第1セッションの論議のベースになったわけです。今のイープスリーさんの報告でもおわかりのように、グローバライゼーションという間農を総括的な立場から取り上げて、一体グローバライゼーションとは何なのだという基本的な問題から我々の討議が始まったということがおわかりいただけると思います。

そこで取り上げた問題をさらに発展させる形で、第2、第3セッションと広げられていったわけでありますので、次に第2セッションの報告者でありました谷口さんから、第2セッションの様子について報告願いたいと思います。

○谷口  ありがとうございます。グローバル・マージナライゼーションに関するセッションの報告をする機会を得まして、非常に光栄に思います。

OECDは先進国のグループであるわけですが、私は7年半にわたって、OECD非加盟国について仕事をしていましたので、OECDの申でほ、私もマージナライズされた、周辺化され取り放された人間であったと自分自身を表現すべきかと思います(笑声)。

しかしながら、我々OECD加盟国とOECD非加盟国との間の関係は、従来に比べて更に重要なものになりました。ご存知の通り、1994年にはメキシコが加盟し、それに続いてチェコ、ハンガリー、ポーランド、最後に韓国が加盟しました。ですから、私は、OECDをグローバル化することについては十分に役割を果たしてきたと思っています。

そして、このセッションではかなり活発な論議があり、それは私にとっては驚きでありました。私はプレゼンターでしたが、むしろ、グローバライゼーションを警告するようなことを提起しました。日本語で言えば光と影です。

OECDは、いわずもがなのことですが、グローバライゼーションは世界経済に対してトータルとしてみれば恩恵をもたらすものであるとみております。グローバライゼーションは、貿易の自由化、資本市場の自由化、そして世界各

 

 

 

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