更にそれをも上回る利益が出てくるということが、結局無視されているのではないかということでした。
3つ目の問は、この過程において、国際協力から得られる恩恵はあるかということでした。イエスという答えでした。2つの面が恩恵の出てきうる面として挙げられました。
まず、情報の面です。情報は重要なものであり、具体的なケース・スタディーと具体的な例を提示していくことで、グローバライゼーションの過程と、なぜ恩恵がもたらされるのか、ということにハイライトを当てることができます。
次に、貿易の機会が拡大される、ということも国際協力から生まれてくると考えられます。また、貿易自体によって改革が推進されることも考えられます。従って、そうした中で、各国自らが持つ利益が重要となり、主権という問題が取り組まなければならない問題として出てきます。
エキサイティングなペーパーの発表を受けた後で、各参加者から様々な意見が出されました。その中で関心が向けられたのは、果たしてグローバリゼーションの本当の定義は何であるのかという問でした。また、消資市場と生産者の権益のどちらに焦点を当てるべきなのかということや、実際にサービスはグローバライズされてきたのか、特定の権益はどうするのか、その役割を強調すべきなのか、などが討議されました。そして、グローバライゼーションというのは、実はフラグメンテーション、すなわち分断化なのか否か、という問題もあります。もう1つ重要なことでありますが、文化的な意味での自決権はどうなるのか、そしてまたフェデラリズム、連邦主義というものの限界はどこなのか、という問題です。すなわち国家は、その保有する歴史的、伝統的、そして文化的な特異性という非常に重要なものをどこまで保持することができるのか、という問題が挙げられました。
ですが、基本的には政策志向型の討議が行われ、グローバライゼーションに関わる政治経済学的な側面に焦点が当てられました。特に、グローバライゼーションがもたらす再分配についてはどうすればいいのか、勝者があり敗者がいる、そうしたことについても、更なる議論があり、その中では異なった意見があることが寧き呼りになりました。そこから現れてきた問題を次のようにまとめることができると思います。
まず、第1点ですが、いかにして市民を、この過程の申に巻き込むことができるのかです。グローバライゼーションの真の姿をどうやって提示していけばいいのかということです。例としては、敗者たちに対して、便益を実現させるために不可欠な経済的なインセンティプをなくさずに、必ず補償していったらどうなのかという指摘がありました。これは、政策をデザインする際の困難な問題であり、更に多くの努力を必要とします。