日本財団 図書館


ョンの報告者を務めていただきました方々から、直接まとめてお願いします。

私どもの会議の順序に従いまして、第1セッションのコメンテーターでありました、ニュージーランドのイープスリーさんにまずお願いいたしたいと思います。報告者であった川本明さんが御都合により既にフランスに帰られましたので、コメンテーターであったイープスリーさんにお願いしています。

○イープスリー  ありがとうございます。コンファレンスにおける他の全てのセッションと同様、第1セッションもペーパーに基づく発表とそれに続く討議の2つの部分からなっています。まず、現在、OECDの事務局におられる川本明氏のペーパーをベースとした発表がありました。川本氏は、ペーパーを3つのキー・ポイントにより構成し、更に3つの問を提起しました。ペーパーの表題は、「更なるグローバライゼーションの中での規制改革の課題」です。

第1の問は、グローバライゼーションを更に進める余地があるのか、との問で、それに対する答えはイエスでした。理由は、現時点までのグローバライゼーションは、製造業に大きな焦点をあてたものだったことに由来します。伝統的な製造業がこれまでグローバライゼーションの大部分を占めていました。けれども、少なくともOECD諸国においてはサービス部門の方が遥かに大きなものになっており、国内では大きく成長しています。従って、グローバライズされたサービスは、従来はグローバライゼーションの対象とは考えられなかったような部門へと向かっていくのではないかとのことでした。例としては、医療や教育、そして大部分は、電気通信のようなより優れたコミュニケーションの進歩が原動力となるのではないか、とのことでした。更に、情報収集プロセスも同様な原動力とのことでした。

2つ目の問は、規制改革に伴う政治的課題は達成できるか、という問でした。これはサービスのグローバライゼーションを支援するために必要です。答はイエスでした。焦点が理論ではなく、あくまでも実務に当てられている限りにおいてはそうです。特定の利権と戦わなければなりません。判断基準は、市場における一層の競争です。また、改革政策は重要なものであり、その中でも、特に社会的規制は、更なる経済的向上に関し誤解をもたらさないような形で、上手にデザインされねばならない、とのことでした。社会的規制は、真の目標にあくまで焦点を当てなければなりません。例えば一安全性などが議論に上がりました。航空規制に関して、安全性がかなり議論になりました。これはコンファレンスで何回も取り上げられました。また、国際競争は決定的に重要です。しかし、開放ということは批判も招いています。マイナスの側面が余りにも過大に取り上げられているのではないでしょうか。例えば、労働市場においては、短期的にみれば失業が出てくることが余りにも強調されています。長期的にみれば、実はそれを上回る更なる就業の機会が増えていくということ、そして、

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION