報告の相手方は職員によって異なるが、総統などの幹部職員については監察院、簡任第10職等以上の公務員については所属機関となっている。
報告時期は、採用後3カ月以内及び毎年1回となっており、報告対象となる財産としては、不動産、船、車、一定金額以上の預金・外貨・有価証券・動産、債権、債務、事業投資が定められている(外貨については20万元以上、預金、有価証券、債権、債務、事業投資については各種ごとに100万元以上、相当価値の財産については一件につき20万元以上)。
報告を受けた機関は、報告後45日以内に報告内容を審査し、公衆の閲覧に供する。
総統など幹部職員の報告については政府公報に掲載される。
総統など幹部職員の一定金額以上の不動産については信託業務に託するなり、処分しなければならない。職務に関係する者との利害関係がある財産についても同様の処理をしなければならない。
正当な理由なしに報告をしなかった者及び虚偽の報告をした者は6万元以上30万元以下の罰金に処せられる。総統など幹部職員についてはその氏名も公表される。この処罰を受けてもなお報告をしなかった者は、1年以下の懲役又は10万元以上50万元以下の罰金に処せられる。
(14) 政治的中立
公務員の政治的行為の制限について直接規定している法令はないが、現在制定中の公務員行政中立法では、政治的中立について規定する予定。
(15) 労働基本権
公務員には労働基本権は認められていないが、公務人員基準法案においては公務員の団結権及び交渉権を認める方向で論議されている。また、公務員は公務人員協会を組織することができ、同協会が職員の権利擁護にあたっている。
2 懲戒処分
(1) 懲戒処分の種類
懲戒処分は以下の6種類となっている。
撤 職:免職の他、一定期間(少なくとも1年間)任用を停止することを言う。
休 職:6カ月以上の期間、職務を停止し、期間中給与を支給しないことを言う。
期間満了後は復職するが、復職日より2年間は昇給、昇進は認められず、また、管理職に就くこともできない。
降 級:俸給の級を1ないし2級下げること。降級処分を受けてから2年間は昇給、昇進は認められず、また、管理職に就くこともできない。なお、最も下位の級に格付けされているなどの理由から降級ができない場合には、上位の級との俸給較差額が2年間徴収される。