昇進資格要件の1つに在級年数があるが、直近下位の等級における在級年数だけでなく、下位2つの等級合わせての在級年数が資格要件になっている場合もあり、その場合には理論的には2級上の等級への昇進も可能であることを意味する。なお、実態としては2級上の等級に昇進することは稀であり、採用後最初の昇進を除き、下位の等級における現在の俸給額が上位等級の最下位号俸の俸給額以上でないと、昇進が与えられないケースが多い。
昇進のスピード、どのランクまで昇進するかは個人差が大きく、同じ試験に合格し、3級で採用された者でも40歳代で局長、50歳前半で事務次官まで昇進する者もいれば(事務次官については同一ポストの在職年数の制約がないので、50歳前半で次官に昇進し、定年(60歳)まで10年近く在任することもある。)、60歳の定年まで5級どまりということもある。一般的には、職業学校又は高等職業学校を出て、1乃至2等級で採用された職員は4乃至5等級でキャリアを終了し、学士号を取得後3等級で採用された職員は、7等級でキャリアを終了する例が多いようである。
(2) 昇進試験
昇進試験は、採用試験と同様の構成となっており、一般教養、専門知識、面接試験の3部から構成されている。ただし、採用試験に比べるとより職務との関係が明確であるため、試験の内容も職務に密接な内容となっている。
6 離職
離職事項としては、定年退職、辞職、解職、免職(退職一時金・年金が支給される場合と支給されない場合がある)がある。
(1) 定年
定年年齢は60歳。
(2) 辞職
職員は辞職願いを上司に提出することができる。辞職願いを受けた上司は、辞職願いを任命権者に回付する。任命権者は、公益に照らし、辞職願い提出後90日間までは辞職を承認しないことができる。早期退職を促進し、職員数を削減するため、割増一時金を与えて退職させる制度が検討されている。
なお、1993年には辞職者の数が25%上昇し、辞職者のうち、90%が3〜6等級の中堅職員であった。
(3) 解雇
以下の場合などには、職員を解職することができる。