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採用候補者名簿は、2年間有効となっている。また、人事委員会はある職種の試験合格者を他の類似職種の採用候補者名簿に振り替えることができる。

試験合格者に対しては、成績上位者から順に採用予定官職が提示される。すなわち、当該職種の採用予定官職が複数の場合、トップの成績で試験を合格した候補者に当該複数の採用予定官職が提示され、当該候補者がその中から官職を選択することになる。このような採用方法を取っているため、臨時職員として勤務している者が、試験を受けて採用資格を得ても、勤務していた機関に採用されるとは限らない。

(2) 選考

人事委員会が認める特別な場合には試験によらず、選考により職員を採用することができる。選考ではインタビュー又はその他の方法により審査が行われる。選考により採用された者は、少なくとも1年間、その職に留まり、また、他の部局に異動することはできない。選考による例としては、博士号取得者(初任等級5等級)、医学士、歯学士、獣医学士号取得者(初任等級4等級)などが挙げられる。

政府の教育研究機関(税務学校、看護学校など)の卒業生を採用する場合や、人材が払底していて受験者の数が少ないと予想される分野の職種に採用する場合にも選考採用が認められる。こうした職種は現在20程度あり、2年ごとに見直しが行われる。さらに専門的、特別なポストに特別な資格を有する者を採用する場合は、人事委員会の承認を得て、各部局が採用することができる。

また、政府奨学金の受領者は、奨学期間終了後、公務従事義務を負っており、各省に採用される。奨学期間終了後特定の省庁に採用されることが決まっている奨学金と決まっていない奨学金がある。後者の場合は、奨学金受領者の履歴が人事委員会から各省に照会され、各省の感触と受領者の要望を勘案して、採用省庁が決められる。いずれにしろ、奨学金受領の採用に際しては、試験、面接は行われない。

(3) 条件付採用期間

条件付採用期間は通常6ヵ月で、各機関が6ヵ月より長く又は短く条件付採用期間を設定したいときには、人事委員会の了承を得る必要がある。条件付採用期間中の勤務成績等を判断し、公務に正式に採用するか否かを決めることになる。以前は、その判断は、直属の上司だけによる判断であったが、最近、グループ又は委員会による判断に変わった。

条件付採用期間中に免職以外の理由で離職した職員が復帰を希望し、公務もそれを認めた場合には、人事委員会が定める規則・手続に基づき復帰することができる。

 

 

 

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