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第2章 人事行政機関

 

恒久公務員については、第1章1で述べたそれぞれの職種ごとに、計11の人事行政機関が設置されている。そのうち、中央機関に勤務する一般公務員(Civil Service)の人事管理を所管するのが人事委員会(Civil Service Commission)である。

これら人事管理機関間の調整を行う組織として、Screening Committee on Public Personnel Administrationが設置されることがある。この委員会は常設機関ではなく、そのときの内閣によって設置される場合と設置されない場合がある。設置される場合には、副首相が議長となり、各人事管理機関の事務総長が委員となる。

 

1 人事委員会

1928年に設立された中央人事行政機関で、中央行政機関に勤務する一般公務員の人事管理を所管している。人事委員会と他の人事行政機関との間では上下関係はないが、実際には、他の人事行政機関は人事委員会の決定、運用に追従することが一般的となっている。

(1) 人事委員会の構成

委員会は、次の15名乃至17名の委員によって構成される。

官職指定委員(5名):首相又は副首相(議長)、大蔵省事務次官、首相府予算局長、国家経済社会開発委員会事務総長、人事委員会事務総長

選出委員(5名。任期2年):各省がその省の局長以上の職を占めている職員から委員候補者を選出し、その後、候補者の互選により、委員を選出する。委員は国王により任命される。

指名委員(5〜7名。任期2年):上記の官職指定委員及び選出委員が、人事行政、公務管理、組織開発、法律などに精通した者を指名。通常は、政府機関の局長以上の職を占めた者が指名されるが、3人を超えない範囲で、公務経験がない者又は局長以下の職員経験者を指名することができる。国王が任命する。

委員の再任は可能。委員は常勤ではなく、人事委員会会議が開催される際に出席する。人事委員会の成立のための定足数は、全委員数の半分で、議決は、公務員の採用資格要件の免除に関する決定を除き、出席者数の過半数により決せられる。

(2) 人事委員会の権限と責務

公務員法により、人事委員会は下記の権限と責務を有することとされている。

・ 人事行政、公務員制度について内閣に対し、提案と助言を行う。

・ 公務員の人事計画に関する政策を検討・立案する。

 

 

 

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