局は全体で125局あり(ただし、国防省、大学省の局を除く)、局の下には、BureauやDivisionが置かれている。事務次官の役割は省内部の監督調整が主となるが、事務次官の実権は省により異なると言われている。たとえば、保健省の事務次官の実権は強いが農業・協同組合省や教育省では弱いと言われている。
なお、1995年度の政府歳出予算の総額は7,150億バーツで、その内訳は、社会サービス38%、経済開発21%、国防・治安18%、一般行政16%、債務の償還6%となっている。
(4) 司法
最高裁判所の下に控訴審裁判所及び第一審裁判所が置かれており、三審制を採っている。第一審裁判所としては、バンコクには、民事裁判所、刑事裁判所、少年・家庭裁判所があり、各県には県裁判所、規模の大きい県にはこれに加え、少年・家庭裁判所などが置かれている。控訴審裁判所は、バンコクに1つ、地方に3つ置かれている。最高裁は最終審で、法律・行政命令の審査権を有している。なお、刑事事件で訴追された者は、国王に恩赦を願い出ることができる。
上記の通常裁判所のほか、労働裁判所、租税裁判所、軍事裁判所(軍人の刑事事件を扱う)がある。行政事件を扱うための行政裁判所は置かれていない。
(5) 地方制度
タイの行政は中央集権体制になっており、地方の行政は内務省の管轄の下に各地方行政機関が行う原則となっている。
地方行政機関としては、県(province)75、郡(district)708、地区(sub-district)7,058というProvincial Levelの行政単位と、自治権の強いバンコク首都及びパタヤ特別市、市、衛生区(sanitary district)などからなるLocal Levelの行政単位がある。県知事は内務大臣により任命された中央官庁の官僚が派遣されるが、バンコク都知事は、民選となっている。