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あって、色々の種類のローンの形態に従って、資本の流入と流出とのバランスをとることは非常に難しいと思います。私自身この種の詳細なデータを、国際収支を通じて、あるいは資金循環表を通じて入手しようと試みたことがありますが、まったく不可能でした。時に、秘密とされております。

議長:ありがとうございます。他にご質問はあるでしょうか。

カーン(質問):私の質問は、特にインドネシアのラオデさんのお話に関連がありますので、ラオデさんにお伺いしたいと思います。

まず第1に、すべてのスピーカーに対して、「アジアにおける持続的発展を支える統計」に関する立派なプレゼンテーションをいただきましたことに感謝申し上げたいと思います。特に、マレーシアのイシャク・シャリさんからは、このテーマについての素晴らしい意見をお聞きしました。ご承知のように、世界はいわばグローバル・ビレッジであるということであります。そして、ほとんどすべての国の経済は相互に関係をもっているということであります。

この現象は、一方で、評価すべきものでありますが、他方で、発展途上国の経済に対する警告でもあります。いずれにしても、我々は対応していかなければなりません。同時に、特にインドネシア、タイその他アジア地域における多くの国々で経済が下降しているような状況のときには、特にこのことを考えなければならないと思うのです。ですから、統計専門家、エコノミスト、プランナーは、アジアにおける持続的発展のために、現在のこのような状況に対処すべく、強力に前進していかなければなりません。

そして、統計専門家は、事実を提供する、経済に関するデータを提供する。そして、プランナー(政策立案者)は、経済を計画する。しかし、やはり継続的に経済が下降するとすれば、誰かが間違っているとは思われないでしょうか。もし、そうとすれば、誰が間違っているのでしょうか。統計専門家でしょうか。あるいは、政策立案者でしょうか。

私はザファール・イクバル・カーン(Mr.Zafar lqbal Khan)であります。パキスタン人(SIAP研修生)であります。ありがとうございました。

議長:また、一般的な質問だったと思います。どなたかお答えになる方はいらっしゃいますか。

ラオデ:質問でしょうか、コメントでしょうか。誰に責任があるのか、統計専門家なのか、エコノミストなのか、あるいはプランナーなのか、これらの人々すべての責任だと思います。

なぜならば、統計専門家は、起きた事柄、そして現在の状況例えば金融危機について、公正に測定して、統計として提供する。それに対して、プランナーもなぜこれが起きたのかについて、やはり責任を負うと思います。

統計は、非常に独立したものだと思います。統計専門家は、この状況に対して誰が責任を取るかということよりも、経済の状況の結果を記録し、提供します。例えば、インドネシアは、最近まで高い経済成長を経験してきました。94年は7.5%、95年は8.2%、そして96年には7.9%の成長率でありました。ところが、今はどうでしょうか。1997年におきましては、9月半ばに金融危機があっ

 

 

 

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