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うと思っているのですけれども、もしかして、シンガポールからきておられるセリン・シアさんがそのことをご存じであれば、と思ったのですが。そういうことがなければ、ただ問題を提出した程度に留めたいと思います。

セリン:はい、わかりました。どういうことかわかりました。地域内の各国への融資状況のことですね。それでよろしいですね。

私どもは、データを持っておりますが、残念ながら、シンガポールでは、公表されておりません。これは議論の余地がありまして、多数の信用レーティング機関、IMFなどの国際機関は知りたがっております。つまり、シンガポールから種々他の国々に対してどれくらい融資をしているのか知りたがっております。我々自身は金額についてモニターしております。そして、誰がBISにデータを出しているのかは、私自身は承知しておりません。私は統計部門の者ではありませんので。しかし、私の知っている限りでは、このようなデータは提出していないし、公表しておりません。なぜ、BISが日本の融資残高についての情報を持っているのか、私にもわかりません。

議長:私の理解ですけれど、NNWは篠原先生と同僚の方々が開発されたわけですが、これは社会指標の基礎として非常に有名なものであります。そして、私はダムロンサクさんに対してコメントを伺いたいと思います。

ダムロンサク:私自身、おっしゃられたNNWを推計した本を持っております。私も、その時非常に驚きましたので、12年前に入手しました。非常に面白かったのですが、こうして推計されたものを、環境的な側面をカバーしながら、SNAに統合していく。私自身、NNWの基本的な考え方を深く理解しているとは思っておりませんが。私の理解しているところでは、環境的な、非市場的な活動からの影響をとり込んでいくことは、福祉国家の社会にとって、非常に有用だろうと思います。私は、この10年以内に、先生が以前この本で提案されたNNWの93年SNAへの統合を実施するためのデータの改善が行われるのではないかと思います。これが、私の考え得ることであります。

ビジョィ:BISのデータに関する質問にちょっとお答えしたいと思います。BISは国際決済銀行で、ベルンに本部があり、約63の中央銀行の集合体であります。その業務では、一つの中央銀行から別の中央銀行に対してなされた融資のデータを見るわけであります。多分、タイの金融危機に際して、日本の中央銀行からタイの中央銀行に対して融資が行われた。その数字がBISの報告に載ったのではないかと思います。

IMFからタイへの支援は、全く別のコンセプトであり、日本その他の国を含む一体のパッケージ的な融資であります。IMFの金融統計は、基本的に、国際収支統計その他の金融フローに関するものであります。BISのものは、BISに加盟している63の中央銀行間の取引であります。

ダムロンサク:私は、金融統計の専門家ではないのですが、資本の動きの一部としての国際収支を調査してみますと、記録システムに関していえば、国際収支について記録されたデータを利用することは非常に難しいと思います。というのは、まずできることは、月ごと、あるいは四半期ごとで

 

 

 

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