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また、ある研究者たちは、カロリーの摂取需要量を用いることの有効性と栄養上の需要を満たすための色々の行政レベルでのメニューの作成に疑問を呈しております。しかし、先進諸国においてさえも人口の半分は平均需要量以下しか食べていないので、平均需要量以下しか食べていない人たちを貧困者とみなすことは貧困を誇張することになる、という人もおります。 また、フィリピンにおいては、食糧支出に対する手当が国際基準によって寛大すぎるものとなっていることから、これらの推計はすべて、他の国々と比較してインフレートされております。インドネシア、中国、タイで用いられているのと同様の貧困線を使いますと、フィリピンの貧困発生率は中国やインドネシアよりも大きく、タイよりは少ないということがわかります。

次は失業でありますけれども、7.3で、1987年から97年までの労働力の参加率は、第1、第3、第4四半期で64から67%であります。第2四半期には、新規卒業者がすぐに仕事を求めるのを調査で捕捉するので、この計数は上がります。

第2四半期においては、失業率がやはり通例二桁台でピークとなります。そしてまた、その他の四半期には、より低い失業率の推計となっております。雇用されている労働者の全体を労働者のクラスで区分すると、賃金・給与を得ている労働者(約45%)の数は、自営業を5%から10%上廻っております。労働時間でいうと、3人のうち2人は少なくとも40時間かそれ以上働いております。

また、不完全雇用者は、全雇用者の約18%から23%であり、そのうちの半分は農業、漁業、または森林業に携わっておりまして、殆どは農村部におります。

方法論上の課題でありますけれども、例えば参照時点、標本設計、サンプリング・フレームなどの変更のような、一定の変更に基づいて時系列が中断すると時系列データの研究は難しくなります。

そしてまた、用いられる概念や定義がILOが国際的に勧告しているものに準拠していない状況があることによって、作成される推計値が、ILOの勧告に忠実に基づいている他の国々と比較可能でないものとなっております。

これらの例としては、フィリピンにおける失業の定義においてアベイラビリティの基準が含まれておりませんので、定義にこの基準が考慮されている場合に比べてより高い失業率が示されております。このように二つの定義に違いがあることは、フィリピンの高い失業率と、そして他の殆どのアジア諸国のより低い失業率とのコントラストを生み出す理由の一つとみられます。

フューチュア・スターツ(面接を受けた日から2週間以内に新しい仕事を始める人々)は失業者ではなく、雇用者に含まれております。

そして国民経済計算(SNA)に記載される経済活動のうち2つのサブカテゴリーは、フィリピンの労働力調査に含まれておりません。すなわち(1)自己消費のための第一次産物の自営の処理、(2)自営の資本形成であります。

1986年の労働力調査の改訂では、調査表は、結果公表の適時性を増大するための収集および処理の簡素化と矛盾するものとして、大幅に削減されました。しかし、改訂の結果、労働市場のビヘイ

 

 

 

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