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ビアやパーフォーマンスをモニターし、説明するのに不可欠の重要な多くのデータ・シリーズにギャップができました。その例は、インフォーマル・セクターでの雇用、幼児労働、労働市場への新規参入者、そして中途退学の若者、多くの兼業を持つ人々であります。

国内労働力の概念は、一層研究されなければなりません。例えば、仕事の契約が終了したあと帰国する海外労働者を含めることであります。海外労働者は、恒久的な移住労働者と差別される必要があります。現在、労働力として引用しているものは、国の領域内で仕事をしている人々すなわち国内労働力であります。

次に人材でありますけれども、国連開発計画(UNDP)のHDI(Human Development Index「人間開発指数」)は、複合的な指数であり、これは1人当り国内総生産(GDP)を利用し、貧困への考慮、誕生時の健康状態からみての平均寿命、そして知識や技能水準に関しましては、就学年数と識字率といった教育指標についての調整が加えられております。

フィリピンのHDI値(1993年)は174か国のうち95番目に位置づけられております。1993年のHDIは、0.665で、この国のこの値は、中間的なHDIであります。そして東南アジアおよび太平洋地域の平均、そして発展途上国の平均と比べて、フィリピンはHDIの4項目のうち3項目において数字が勝っております。

フィリピンは、人間開発の所得以外の構成要素では成績良好ですが、1人当り所得に関しましては、大幅に遅れております。1997年のUNDP人間開発報告書で報告されている1994年のHDIの計数は0.672で、フィリピンはHDIが計算されている174か国中98番目という位置づけになりました。HDIの数字は上昇がみられましたが、他の国々との関係での位置づけは下がりました。そして、また、フィリピンは、その中間カテゴリー(0.500-0.799)にある66か国の一つであります。HDIの高いカテゴリーの国々は64か国あり、低いカテゴリーとの国々が45か国あります。

方法論上の課題でありますが、HDIは人間開発についてのその他の指標を含ませることができる柔軟なものであります。しかし、地理的な比較をすることになりますと、柔軟性は問題をひきおこすでしょう。ですから、比較をする場合には、時間的にせよ、地理的にせよ、HDIの構成要素が同一でなければなりません。HDIは、国ごとに確立された何らかの仮定に基づいて計算されております。それ故、ある国と他の国とは仮定が異なっていて、国間の比較が信頼性がないものとなったり、あるいは不可能になったりもいたします。

8.12でありますけれども、人間開発の構成要素は、栄養、健康、寿命、衣食や住宅、識字率と教育、所得と生活と政治参加といった基本的ニーズと大きく関係しております。多くの国々においては、データの利用可能性に関する問題から、HDIは開発の3つの成果、つまり平均寿命、識字率と就学率、そして1人あたり実質所得水準にのみ基づいて構築されております。これによって、各国の達成度について包括的な評価を提供するについてHDIを制約します。例えば、小学校卒業生のテスト成績データに示されるような教育水準の低下といった教育の質を捉えることはできません。

 

 

 

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