グルタールアルデヒド固定-セリウム法→Ce-H202-DAB-Ni発色を用いたNAP活性検出法の感度を更に検討するために、遊走因子であるfMLP(N-formyl-met-leu-phe)、protein kinase Cの賦活剤であるPMA(phorbol 12-myristate 13.acetate)による刺激に対するNAP活性の変動を塗抹標本-アゾ色素法と比較した。塗抹標本-アゾ色素法では、NAP顆粒陰性の細胞がほとんどであった(図-10A and 10D)。それに比較して、グルタールアルデヒド固定-セリウム法→Ce-H202-DAB-Ni発色では、刺激に対するNAP顆粒のダイナミックなup-regulationの様子を光顕上で見事にとらえることができた(図-10B and 10E)。fMLPでは、NAP顆粒が癒合して主に管状の変化を示した(図-10B)。
PMAでは、NAP顆粒は癒合し主に巨大顆粒状及び管状の変化を示した(図-10E)。グルタールアルデヒド固定試料は、一部の試料を電顕試料作製操作にそのまま移行させることにより、この急激なup-regulationを更に超微形態学的に解析することが可能である(図-10C and 10F)。