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3.X線写真とエコーは、重要な検査である。

4.できれば、現地の診療所を見てほしい。また、その現場でいろいろ教えてほしい。

5.へき地の診療所の中には、卒業生の派遣に合わせて、建て替えや改築を行うことがある。そういう時、アドバイスしてほしい。

簡単にまとめると、以上のような内容になる。

 

G.まとめと今後の課題

1.X線撮影系の要である自動現像機は、大きさもほど良く、保守契約も結ばれており、特に大きな問題はない。

2.感光機材や撮影条件を工夫すれば比較的に安価に良い写真を得られるようにできるが、それには技師が現地に赴いての技術支援が望ましい。

3.事務長はじめ行政側には、理解と協力を求めなければならないが、この件に関しても、我々技師が積極的に間を取り持つべきと思う。

4.アンケート等、通信手段による調査や品質保証活動には限界があり、現地を訪れることの大切さを実感した。

5.将来的に、X線ひばく線量を考慮したガイダンスレベルの設定を行い、最適化を図りたい。

6.パソコン通信のJMS-NETは、訪問後のフォローにとても役に立っている。また、未訪問の所との情報交換にも役立っており、支援活動に不可欠の存在と思う。

7.支援活動を行うことそれ自体に、反論を唱える者はいないであろう。

しかし、経営者にとってはどうだろうか? 自治医科大学が、支援のための費用、人員すべてを賄うことは難しい。

何か良い方法がないか、皆で知恵を出し合い、実現させたい。

 

H.おわりに

今回の研究では、診療所の実態をさらに良く知ることができ、我々が何をすればよいのかについて得たものはとても大きい。

 

写真の現像処理は、化学反応。X線の発生、人体との相互作用は物理現象である。これらには大学病院か、へき地かの違いはない。

高額な医療機器は買えないかもしれない。しかし、そのほかの面で、特に「考え方」からへき地を無くすることができるならば、工夫さえすれば、X線写真についてはへき地を無くすることができるものと思う。

 

 

 

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