からかうと、神父は「お前こそ女狐にしてやられたくせに」と応酬する。
第3場
居酒屋からの帰り道。ほろ酔い気分の中で校長は以前から思いを寄せている娘テレンカの幻を見、神父は若い頃に恋した金髪の娘を思い出す。しかし森番は、それがビストロウシュ力の悪戯だということに気付く。
第4場
夏の月明かりの夜、ビストロウシュ力は立派な雄狐ズラトフシュビーテクと出会う。身の上話をするうちに二人は恋に落ち、結婚する。
第3幕
第1場
晴れた秋の森の午後。森番は密猟者ハラシュタと出会い、ハラシュタが(校長があこがれていた)テレンカという娘と結婚することになったことを知る。森番は兎の死骸でビストロウシュ力に罠をしかける。ビストロウシュカー家がやってきて兎を発見し、罠だと気付くがハラシュタに見つかってしまう。ハラシュタはテレンカヘの土産にしようとビストロウシュ力を撃つ。
第2場
パーセクの居酒屋。森番は校長に、ついにビストロウシュ力の巣を見つけたと語るが、校長はテレンカが他の男と結婚することを嘆くばかり。森番は一人で森へ出かけていく。
第3場
森の窪地。若き日の恋を懐かしむ民話を歌いながら森番が現われ、座り込んで眠る。夢の中に現れる動物たち。その中にビストロウシュカがいる!だがそれは、昔のビストロウシュカにそっくりな、その子供だった。「お前のお母さんのように育ててやろう」と捕えようとした瞬間、目が覚めるとそこにいたのは狐ではなく蛙。しかも「あんたの知ってる蛙は僕のおじいさんだ」というのだった。
作曲時期:1921年〜23年
初 演:1924年11月6日ブルノ国民劇場(旧ドイツ劇場)。フランティシェク・ノイマン指揮
楽器編成:フルート4(ピッコロ持替え3)、オーボエ2、イングリッシュホルン、クラリネット3(バスクラリネット持替え1)、ファゴット3、コントラファゴット、ホルン4、トランペット3、トロンボーン3、バステューバ、ティンパニ、シロフォン、グロッケンシュピール、グロッケン、 トライアングル、シンバル、小太鼓、中太鼓、大太鼓、チェレスタ、ハープ、弦5部。
登場人物:女狐ビストロウシュカ(S)、森番(Br)、雄狐ズラトフシュビーテク(S)、校長/蚊(T)、神父/あなぐま(Bs)、行商人ハラシュタ(Bs)、森番の妻/ふくろう(A)、犬ラパーク/きつつき(Ms)、宿屋の主人パーセク(T)、めんどり/宿屋のおかみ(S)、おんどり/かけす(S)、少年フランティーク/こおろぎ(S)、少年ペピーク/きりぎりす(S)、蛙(S)、子狐ビストロウシュ力(子供のS)、子狐たち(児童合唱)、森の動物たち(混声合唱)