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娃娃(ワワ)と仔豚

1991年 101分 カラー ヴィスタ 中央電影公司

 

娃娃

A Pig Tail

 

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柯一正

クー・イーチェン

監督

 

1949年台湾生まれ。世界新聞専科学校映画学科を卒業したのち、米国に留学しコロンビア大学で映画を学んだ。帰国後は大学の講師をしていたが、81年シルヴィア・チャン企画によるテレビドラマ『十一個女人』のシリーズの中で起用され、翌年台湾ニューウェーヴのこう矢となったオムニバス映画『光陰的故事』(83)の第三話『跳蛙』でエドワード・ヤンらと共に劇場映画に進出。シルヴィア・チャン主演の『帯剣的小孩』(83)で一本立ちし、以降『我愛瑪莉』(84)、『我們都是這様長大的』(85)、『淡水行き最終列車』(86)を発表。97年には新作『藍月』が東京国際映画祭で上映された。俳優としても活躍し、『嫁ぐ日』(83)『ソウル』(86)『キョンシー・チャイルド精霊夢道士』(87)などに出演。また、舞台やCMの演出も手がけている。

 

解説

 

『光陰的故事』で楊徳昌(エドワード・ヤン)らと共に監督デビューした柯一正監督の傑作キッズ・ムービー。子供と豚という演出しにくい素材を見事な手綱さばきで料理し、爆笑と涙なしには見られないコメディに仕上げられた。80年代末から若干息切れ気味の感もあった台湾映画に新たな風を吹き込み、ニューウェーブ健在を人々に印象づけた点でも貴重な意味を持つ。最新作『藍月』では、5巻のロールをどのような順番で上映しても作品として成り立つという大胆な試みを成功させた柯一正だが、この作品でもすでに断章形式がとられており、『藍月』のアイディアの萌芽が見られる。善良な父親役を、普段はヤクザ、不良ばかり演じているカオ・チエが演じているのも秀逸なキャスティング。

 

物語

 

両親を飛行機事故で亡くした6歳の少女・娃娃は、両親の友人であった台北の朱夫婦にひきとられる。山で育った娃娃は仔豚のバラを連れていて大都会に驚いてばかりだが、周囲は温かく迎える。一人息子の朱皮は妹ができたと喜んで娃娃とともに登校するが、娃娃はいつもバラと一緒。校内は子豚で大騒ぎになる。学校にバラを連れて行けなくなり、共働きの朱夫婦には大変なことに。バラを連れて出勤したが街中で行方不明になってしまう。娃娃は心配でたまらず、朱皮や友達とともにバラを捜す。子供たちの冒険が始まる。神出鬼没のバラはスーパー・マーケットや公園、空港や農場に現われ、ハプニング続出。野球場ではすっかり試合を混乱させ、選手たちは白球のかわりに仔豚を追う羽目に。ついには、バラは水に落ちて溺れてしまう。両親の事故に引き続いて、娃娃はまた身近な死を経験する。

 

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