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ファイブ・ガールズ・アンド・ア・ロープ

1991年 123分 カラー ヴィスタ 湯臣有限公司

 

五個女子與一根繩子

Five Girls and a Rope

 

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葉鴻偉

イエ・ホンウェイ

監督

 

1963年生まれ。84年中国文化大学映画演劇学校を卒業。テレビの脚本家、短編映画の監督をへて87年助監督兼脚本家としてトムソン・フィルムズに入社、翌年『旧情綿綿』で映画監督デビュー。89年『刀瘟』で、金馬奬で多数部門にノミネートされ注目される。91年、『ファイブ・ガールズ・アンド・ア・ロープ』で東京国際映画祭ヤングシネマ部門シルバー賞を受賞。

 

解説

 

デビュー作『旧情綿綿』では台湾映画史、第2作『刀瘟』では2.28事件と、台湾現代史を大胆にとりあげ、高い評価を得た1963年生まれの若手監督・葉鴻偉が、中国大陸を舞台に撮った第3作。この題材は、徐楓の湯臣影業公司(トムソン・フィルムズ)側から提示されたものという。原作は大陸の作家・葉蔚林が1985年に発表した短編小説。撮影には大陸ロケを敢行、音楽は『黄色い大地』『さらばわが愛 覇王別姫』など、中国映画音楽の第一人者、趙李平が担当した。また、主役のひとりに中国の新人女優、艾敬を起用。彼女はその後、シガーソングライターとして活躍、『わたしの1997』が日本でもヒットした。こうした大陸との実質的な合作が災いして、当初の台湾での公開が禁止されたが、1991年の東京国際映画祭のヤングシネマコンペティションのシルバー賞受賞を筆頭に、世界各国の映画祭で次々に賞を獲得、国際的評価が高まり、台湾での上映が実現した。なお、同じ原作を大陸でも映画化している(『五人少女天国行』)が、そちらは舞台を緑濃い中国南方に設定しており、その解釈の違いを比較してみるのもおもしろい。

 

物語

 

黄土高原の貧しい農村に美しく育った5人の娘がいた。天真爛漫な彼女たちであったが、みなそれぞれに女であることの不幸を間近に見ていた。明桃は意に添わぬ結婚を迫られていた。荷香の兄嫁は幼なじみとの不倫がばれて村人の私刑に遭い、金梅の叔母は子供ができないために嫁ぎ先でいびられ、あげくに発狂し実家に戻される。また、桂娟の姉は難産の末、息をひきとる。子どもたちを育て上げ70歳の長寿を迎えた愛月の祖母も、女であるがために自らの誕生日祝いの席に同席することを許されず、悔し涙を流す。彼女たちの唯一の希望は、村外れにすむ巫女に聞いた、娘だけが行けるという天国「花園」の言い伝えであった。うららかな秋の日、5人は真っ赤な晴れ着を着て集まり、1本の綱に繋がれ、花園へ旅立ってゆく。(加藤)

 

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