白景瑞
パイ・ジンルイ
監督
1931年生まれ。大学卒業後、演劇活動をへて、ネオ・リアリズモ映画に出会い映画監督をめざす。62年、イタリア映画実験センターに留学、翌年卒業後、帰国して中央電影公司に入社。67年独立して『寂莫的十七歳』で監督デビュー、第6回金馬奬最優秀監督賞を受賞。以後、60〜70年代の台湾映画を代表する監督として活躍。代表作に、『新娘興我』(第7回金馬奬最優秀監督賞受賞)、『今天不回家』(69)、プリジット・リン、チャールズ・チンを起用した『女朋友』(75)、『人在天涯』(77)などがある。
胡金銓 キン・フ-
龍門客棧(P37)を参照
李行 リー・シン
我らの隣人(P32)を参照
解説
キン・フー(胡金銓)、李行、そして今回の映画祭では長編が出品されていないが白景瑞(代表作は70年の『再見阿郎』)と、台湾映画界きっての大監督3人によるオムニバス映画。題名通り、3つの時代にわたって恋の三角関係が輪廻していくオカルト的な味のある伝奇である。原案は、当時キン・フー夫人だった鐘玲。3話とも結末は凄絶な死で悲劇の幕を下ろし、それにはつねに代々受け継がれてきた“魚腸剣”という古刀がからむ。キン・フーは得意の明代を背景に<第一世>を担当し、痛快極まるアクションと大胆な省略を利かせた語り口で、長篇にひけをとらぬカタルシスを味あわせる。李行は、中華民国初期の<第二世>で、京劇一座の様子を活写する。白景瑞の<第三世>すなわち現代に生きる民間信仰=シャーマニズムの描写も興味深い。三話とも役者は共通していて、キン・フー映画でおなしみの石雋、花のように美しい彭雪芬(シルヴィア・パン)、そして姜厚任。
物語