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坊やの人形

1983年 108分 カラーヴィスタ 三一有限公司

 

兒子的大玩偶

The Sandwich Man

 

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萬仁

ワン・レン

監督

 

1950年台北生まれ。東呉大学外国語学科卒業後、アメリカヘ留学しニューヨークのコロンビア大学で映画を学ぶ。実験映画のコンクールである台湾・金穂奬に、80年『晨梦』、82年『迷惘』が短編作品グランプリとなる。82年に帰国後、世界新聞専科学校の映画科の講師となる。83年オムニバス映画『坊やの人形』の中の『りんごの味』を監督。同年『嫁ぐ日』で長編映画監督デビュー。主な監督作に『超級市民』(85)『惜別海岸』(87)『超級大国民』(95)がある。

 

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中国広東省生まれ。72年国立台湾大学外国語学科英文科卒業。78年アメリカヘ留学し、テキサス大学オースチン校で映画を学ぶ。81年香港で映画評論を展開したのち、82年に台湾へ戻り、中央電影公司に入社。83年オムニバス映画『坊やの人形』に参加し第二話『シャオチーの帽子』で監督デビュー。翌84年、第二作『霧裡的笛声』、第三作『夫殺し』を発表。以降は主に、大学で映画を教えている。

 

侯孝賢 ホウ・シャオシェン

ステキな彼女(P41)を参照

 

解説

 

台湾ニューウェーヴの出発を記したオムニバス作品。前年に新人監督4人を起用して撮られた『光陰的故事』が思いのほか高い評価と興行成績を挙げたため、中央電影会社が再び新人監督の起用を試みて制作されたもので、このふたつの作品によって、“台湾新鋭導演”が叫ばれるようになった。第1話が侯孝賢、第2話が曽壮祥、第3話が萬仁によるが、それぞれシンプルな物語を独特なスタイルで映像化しており、3人ともニューウェーヴの若手監督として活躍していく。『光陰的故事』と異なるのは、3話とも原作は「郷土文学」といわれる黄春明の短編小説からとられ、脚本も呉念眞が担当していることだ。そのため、たとえば侯孝賢による第1話は当時としては珍しく台湾語の台詞であり、このことはその後の侯孝賢とニューウェーヴの作品の特徴となっていく。また撮影の陳坤厚も編集の廖慶松もニューウェーヴ作品でお馴染みである。公開当時、第3話が屈辱的な内容であるとして上映禁止騒ぎになったことでも知られている。

 

物語

 

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スタッフ

 

製作:明驥 ミン・チ-

監督:侯孝賢 ホウ・シャオシェン『坊やの人形』

曽壮祥 ツェン・ツァンシャン『シャオチーの帽子』

萬仁 ワン・レン『りんごの味』

脚本:呉念眞 ウー・ニェンチェン

原作:黄春明 ホアン・チュンミン

撮影:陳坤厚 チェン・クンホウ

美術:李富雄

音楽:温隆俊

編集:廖慶松 リャオ・チンソン

 

キャスト

『坊やの人形』

サンドイッチマン:陳博正 チェン・ボージョン

妻:楊麗音 ヤン・リーイン

子:曾國峯 ゾン・クオフォン

『シャオチーの帽子』

金鼎 ジン・ディン

方定台 ファン・ディンタイ

『りんごの味』

卓勝利 ジュオ・シャンリー

江霞 ジャン・シャー

 

 

 

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