物語
明代、景泰八年(西暦1457年)。東廠と錦衣衛の2つの特務機関を掌握し、権勢をほしいがままにする太監(宮宦)の曹少欽は、忠臣、干謙を無実の罪で処刑。干謙の2人の息子と娘、于欣は辺境の地、龍門に流刑と決まり、護送されて行った。曹少欽はその子供たちをも亡き者にせんと道中を襲わせるが、失敗。配下で最も腕の立つ皮紹と毛宗憲に率いさせた数十人の密偵たちを馬で龍門に先まわりさせる。密偵たちは荒野の中の客棧で、護送されてくる3人の子供たちを待ち構える。しかし、ふらりとその宿に訪れたかに見えた風来坊然とした蕭少、宿の主人の呉寧、あとから到着した豪傑、朱驥と男装のその妹の朱輝は処刑された于謙の親友や腹心たちで、それぞれ于謙の遺児たちを守るためにやって来たのだった。護送隊が到着し、ついに密偵たちとの死闘が始まる。密偵たちが苦戦するのに業を煮やした曹少欽は自らも出馬する。
(宇田川)