物語
道路工事をして働く郭は台北の下町で息子の常英と暮らしていた。妻はすでに亡く、大学で土木工学を真面目に学ぶ息子が彼の生きがいだった。ある日、近所の古着屋の世傑が、盗品を売ったことが発覚して逮捕された。古着屋でミシンを踏んでいた世傑の情婦の淑君はひとり残された。ヤクザに襲われた淑君を常英が助けたことで二人は親しくなる。12才の時に両親を亡くし世傑に拾われた淑君は情婦ではなかった。郭が仕事で留守の時、淑君は常英のために夕食を作った。常英はそのお礼に読み終わった本をあげた。やがて二人はお互いに好意を持ち始める。交際を知った郭は、淑君に街を去るよう説得する。それを知った常英は父を責め家を飛び出す。しかし郭の気持ちを理解した淑君は常英を訪れ、父子の溝を修復する。卒業式の日、学長は郭の誠実な仕事ぶりを参列者に紹介し褒めたたえる。父子はお互いをりに感じ、晴れ晴れとした顔で下町に帰る。
(門間)