物語
明代。陜西省の田舎町の外れに、顧省斎は母と二人で暮らしていた。隣の荒れ果てた砦に、謎めいた美しい女が住みついた。彼女は処刑された重臣・楊漣の娘、楊慧貞だった。父をおとしいれた東廠を支配する宦官、門達への復讐の機会をうかがい、父の腹心だった石らとともに身をひそめているのだった。東廠密偵、欧陽年が楊らの正体を見破る。楊と石は竹林で欧陽と東廠の連絡員たちを斬る。そして門達をおびき寄せる偽の書状を送る。顧省斎が兵法の知識を凝らし、仕掛けを張りめぐらしたチンルー砦で、楊たちは門達を殲滅し、みごとに仇を討つ。楊は顧との一夜の契りで産まれた子を、顧家の後継ぎとして与えると、かつて自分を匿い、武術を教えてくれた恩師、慧圓大師の寺で仏門にはいる。だが、錦衣衛の許顕純らが顧を捕まえたとき、再び戦わなくてはならなくなる。慧圓大師も楊と石を救援して戦いに加わる。
(宇田川)