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STORY

MALAYSIA ――――― マレーシア

[ニャニョ]-ババを求めて-

15世紀、マレーシアのマラッカ州ではこの地で生まれマレー語を話す中華人の文化があったことが記録されている。男たちはババと呼ばれ、女たちはニョニャと呼ばれていた。17世紀に入って裕福な中華人が移民として入ってきて彼らと結婚した。これはその子孫たちの物語。

キムは現代の中華系マレーシアの女。香港、シアトルなどを旅した後、故郷のペナンに帰ってくる。町中を見るにつけ、彼女の目にはペナンの変わりつつある文化が今更のように見て取れる。キムはニョニャの友人に会う。この友人にはニョニャとしての伝統は何も残っていない。家族はもう死んでしまってひとりアパート暮らしをしている。キムは“ニョニャ”の文化、伝統がなくなっていくことを嘆く。

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CAST PROFILE

ロク・ソー・キム(駱素琴/Loke Soh Kim)

マレーシアのペナン生まれ。1982年、陳維彬氏に師事してダンスを始める。相前後してシンガポール人民協会舞踏団、香港城市当代舞踏団に入団。香港に滞在中は、マレーシアから来ていた舞踏家たちと「南群舞子」舞踏団を結成する。92年、帰国と同時に「ペナン・ダンス・ステーション」を旗揚げ。代表作は『帰去来兮』『阿二嫂』などがある。

祖国マレーシアをベースに活動しながらも海外公演を数多くこなしており、96年シアトルのノースウエスト・アジアン・アメリカン・シアターの招待で国際芸術家共同プロジェクトに参加。97年にはニューヨークのアジア文化協会の奨学金を受けて渡米、アメリカのダンサー達と共同作業を行った。また、96年から三年間、シンガポールの「新典舞踏工作坊」にて台本・演出・照明デザインを担当。昨年2月には香港でソロダンス『「喃喃自語』を上演している。

現在は自らのパフォーマンス以外でも後輩の指導にあたるなど、マレーシアのダンス界を代表する一人として活躍中である。

 

 

 

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