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4-2-2 清水町

 

● 導入経緯

昭和59年に住民情報オンラインの計画決定に基づき、昭和60年、当時の町長に対して住民情報オンライン導入についての検討結果を答申し、その際オンライン化による総合窓口の必要性について検討開始したのがそもそものきっかけである。単に住民情報オンラインによる電算処理を行うだけでなく、オンライン処理を活用した窓口として新しい形態を模索すべきではないかと考えた。

その後、総合窓口実施団体の視察等を経て、総合窓口システムの構築に関する検討部会による当該地方公共団体に最も適した窓口形態を検討した。平成元年に総合窓口システムがスタートする。

 

● システムの概要

ホストコンピュータによる中央集中処理システムである。総合窓口カウンターは、「住民票、税証明書等発行窓口」、「住民異動、国保・年金資格得喪」、「戸籍届等処理窓口」、「総合受付窓口」の各窓口が一体となっており、各窓口に端末が設置され、その後方に各種交付書類のプリンターが存在する。

情報システムは、住民基本台帳データベースを中心に構築し、住民票、印鑑証明、外国人登録、各税関係等のシステムがリンクしている。このデータベースを基本として情報システムの処理が行われていることが、総合窓口化を可能としていると考えられる。

 

総合窓口の構築に際して所管業務を決定するにあたり、以下の諸条件を判断材料とした(現状において若干の課題が残る事務も存在する)。

 

1. 住民基本台帳事務と関連する事務、つまり転入、転出、転居、出生、死亡という一連の事由の発生にともなって同時的かつ定型的な事務処理が必要とされる事務。

2. 一つの住民異動届、申請書等によって関連手続がすべて完了するような事務。

3. 受付、審査、作成、交付という一連の処理手順で確認が台帳、端末機等で即時処理が可能な事務。

4. 窓口処理と事務処理とに分化でき、さほど即時処理を必要としない事務。

5. 個人のプライバシーを侵すおそれのない事務。

6. 総合窓口に移行しても正確に処理できる事務。

7. オンライン端末機を利用して窓口職員が正確かつ迅速に処理できる事務。

 

● 導入効果

導入効果としては、可能な限り窓口を1カ所に総合化することにより住民のたらい回しの解消等の「住民の利便性の向上」が第一に挙げられる。

また、「事務の効率化」に関しても、総合窓口システムに対応して、従来のような縦割り組織を改善したため、事務処理の短縮化が図られ、ひいては住民の待ち時間の短縮化にもつながったと考えられる。

 

● 課題

総合窓口システムの課題に関しては、「個人情報保護」と「職員の研修」が挙げられる。「個人情報保護」に関しては、現在、外部出先機関にまで総合窓口システムは接続されていないが、来年度白動交付機(時間外稼働も行う)の導入を計画しており、個人情報保護への対応が今以上に重要となっていくものと考えられる。

「職員の研修」に関しては、総合窓口にともない多岐にわたる業務の知識が必要であること、端末操作が必要であるので職員の情報リテラシーが重要であることから、事務に精通した職員を常に養成しておく必要があると考えられる。

 

 

 

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