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をあらかじめ登録しておき、問題の筆跡と登録された筆跡との類似度を判定するものである。

筆跡の形だけを問題にする静的署名と、筆順、筆圧、運筆速度などをも問題にする動的署名とがあるが、当然ながら動的署名の方が利用できる情報が多い。この場合にはタブレット等の専用機器の上で書く必要がある。現在実用化されているものには動的署名を用いる方式が多い。

 

(8) その他の方式

顔貌:顔の特徴としては、顔の外形(輪郭)、眼の形、鼻の形、口の形、顔の起伏などを用いる研究例が報告されている。

耳 :耳の形の個人差に関しては欧米でも日本でも研究報告がなされており、形態学的にも解剖学的にも万人不同であることが示されている。

掌紋:手のひらのしわの形状特徴を利用するものであるが、指紋ほどの特徴点が多くないため、個人識別の精度は指紋におよばない。

指形:指の関節で区切られた部分の長さが個人的なぱらつきを持つ点に着目したものである。現在東芝がこの技術を入退室管理システムとして組み込んで製品化しているだけである。

 

3-3-3 認証局(CA)のあるべき姿

 

(1) 認証局と公開鍵証明書

公開鍵暗号を使うと、鍵の配布は容易になる。例えば、ディレクトリサービスに保存したり、電話帳のような公開鍵イエローページに公表することで、任意の個人・法人の公開鍵を知ることができる。しかし、ここで問題となるのが、公開された公開鍵の正当性である。つまり、その鍵が本当に正しい鍵であるということを、なんらかの方法で証明しなければならない。例として、BさんがAさんの名前で公開鍵を公表してしまった場合を考えてみると、このときその公開鍵が本当にAさんのものかを証明しなければ、Bさんはその鍵を使ってAさんになりすますことができてしまう。

この問題を解決するために、公開鍵証明書(certificate)を発行する、認証局(CA:Certification Authority)と呼ばれる信頼できる機関が必要になる。公開鍵証明書と

 

 

 

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