・ 国民及び企業に対する行政サービスの強化
・ 合理化を通じた行政サービス提供の効率化
・ 情報に対するアクセス手段の提供
この構想書では、1980年に起こったイギリス金融市場におけるビッグバン以後の荒波を乗り越えてきた金融機関の経験に学び、情報技術を活用した抜本的な行政サービスの変革を提言している。
また、個人コードと関連する部分として、構想書では、行政サービスの電子的な提供に際して不可欠となる本人確認の手段として、以下に示す2つの方式を開発することを打ち出している。
?@ カードを使用した本人確認(Card-based Signatures)
?A 本人しか知らない個人情報を使用した本人確認(Signatures based on lists of details known)
?@の方式は、現在のクレジットカードによる決済や、キャッシュカードによる現金引出において磁気ストライプに記録されている4桁の暗証番号とキー入力の値を照合させる本人確認の方式よりも安全性を高めるために、磁気ストライプと比較して複製が極めて困難なスマートカードの使用を前提としている。
また、?Aの方式は、現在のテレフォンバンキングにおいて行われている電話オペレータによる複数の質問に正しく回答できた人を本人と見なす方式を応用するものである。
2-2-3 スペイン
スペインでは、身分証明番号(以下DNIと略す)が、統一個人コードとして、市民生活に不可欠なものとなっている。
(1) DNIの概要
スペインでは、1944年よりDNIが導入されており、DNIを記載したIDカード(以下、DNIカードと略す)は、携帯する者の身分を公的に証明する唯一の公文書で