(2) 住民基本台帳のプライバシー
平成8年3月に自治省の「住民記録システムのネットワークの構築等に関する研究会」報告書が発表され、今までの統一個人コード導入をめぐる議論が、住民基本台帳をべ一スとした共通番号という形でその実現に向けた方向に進んできている。しかしながら、この新しい進展と並行して、一方で住民基本台帳に記載されている基本4情報がプライバシーであるか否かという論議を改めて提起することとなった。この問題を完全にクリアーしておかなければ、全国的な住民基本台帳ネットワークシステムの構築は不可能である。それだけに、この問題に関する法制度的検討が十分なされ、国民のコンセンサスが形成されなければならないことは間違いない。
?@ 住民基本台帳情報のプライバシー
住民基本台帳法に記載されている基本4情報(氏名、生年月日、性別、住所)は、本人以外には秘密にすべきいわゆるプライバシーであるか否かという議論が正確になされていないと考えられる。結論的にいえば、これら4情報は秘匿すべき情報ではなく、本来、プライバシー侵害とは無縁の情報なのである。