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は じ め に

 

個人コードに関しては、予てから各種の調査研究が行われてきているが、各行政機関の足並みが揃わず、また国民の理解も得られなかったことから、棚上げにされてきた経緯がある。しかし、最近に至り基礎年金番号が導入され、納税者番号の導入についても慎重な議論が繰り返され情報化との関連で統一個人コードの必要性が大きな論点とされる状況となっている。

一方、平成8年3月には、自治省による住民記録ネットワークに関する調査研究報告書が公表され、国民一人ひとりに認証・識別を行うための共通番号を付与し、住所変更等の行政サービスの向上に活用しようとの方向性が明らかにされた。

以上の現状を踏まえた上で、本調査研究においては、日本における個人コードの導入に関する経緯、背景、論点、現状等を把握するとともに、諸外国における個人コードの導入の経緯、利用方法、運用管理上の問題点を整理し、今後の日本における個人コードの導入に当たっての課題を明らかにする。更に、個人情報の保護、様々な行政機関の既存のアプリケーションに使われているコードとの対応、行政サービス向上の前提となる本人確認手続き、既存の法制度等の見直しの必要性及び国・地方公共団体間の連携・調整等の問題についても言及する。そして、行政事務の合理化、行政サービスの向上に繋がる方途を提示できればと考える。

本調査研究は、日本財団(財団法人日本船舶振興会)からの補助金の交付による補助事業「行政情報システムの研究開発等」の一環として実施されたものである。

また、本調査研究は、学識経験者及び行政実務経験者等によって構成される委員会での審議を経たうえで進められ、さらにその取りまとめに当たっては委員会各委員の協力を得たものである。

本調査研究にご協力を頂いた関係各位に謝意を表するとともに、本報告書が行政における情報化推進の一助となることを願ってやまない。

 

平成10年3月

 

社団法人 行政情報システム研究所

 

 

 

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