(1)住民ニーズへの緻密な対応
統合型情報キオスクの利用を推進するためには、利用者や地域に密着した情報・サービスを提供していくことが重要である。
?@ 地域や時間帯に応じた行政情報サービス
住宅地では、早朝は高齢者、昼間は主婦、深夜は若者向けの情報を増やし、オフィス街では市街から通勤する人のために他市町村と協力して広域情報を提供する等、住民のニーズに合わせて提供する情報やサービスを変えられるような柔軟性があれば、住民が少ない操作回数で必要な情報を得ることができる。
また、住民に提供するサービスやコンテンツに関しても、何でも提供するというのではなく、住民のニーズに合わせて選別することにより、情報の氾濫で本当に必要な情報が見つかりにくいといった問題に対応できる。
このためには、統合型情報キオスク端末の開発・運用に際し、住民のニーズを広く調査・把握し、提供情報、サービス内容を決定することが重要である。
?A メディア全体におけるキオスク端末の位置づけの明確化
近年のインターネットの普及に伴い、行政情報サービスの手段はさらに多様化し、住民の情報入手や各種申請手続きの手段の幅が広がっているように見える。しかし、実際には、家庭や職場でパソコンを利用できない住民から見ればメリットはなく、むしろパソコンを持つ住民との情報格差が拡大しているともいえる。
キオスク端末はタッチパネル方式により誰でも簡単に操作でき、パソコンを持たない住民でも街に出たついでに使用できるメディアとして有効であり、インターネットによる行政情報サービスが充実・普及しても、それによりキオスク端末の必要性が減少するとは言いにくい。むしろ、インターネットで提供しているコンテンツを情報機器に慣れていない住民に提供することにより往民の間の情報格差を是正する手段として、必要性が高まるとも考えられる。
また事例の公共施設案内・予約システムにおいては、依然、電話の自動応答機能も利用率が高く、現在も住民にとって電話が重要な情報通信手段であることは明らかである。
行政情報サービスシステムの構築に際しては、自治体の情勢や住民のニーズ特性等を十分に把握した上で、どのような属性の住民にはどのようなメディアでどのようなサービス・情報を提供すべきかを十分に検討し、統合型情報キオスクの位置付け、果たすべき役割についても明確にする必要がある。
図表4-3に、国や自治体による行政情報サービスで使用されているメディアと、その特性を整理した。実際の導入に当たっては、国や自治体において計画する行政情報サービスの内容(印刷物を提供する。しない、情報提供に必要な表現形式等)、主な提供対象(例えば、生涯学習は中高年、生活情報は主婦)、対象地域(住宅地、商業地域、オフィス街、公園等)、個人情報の有無等の要素を考慮した上で、地域・住民に適したメディアで行政情報サービスを提供できるように設計を行うことにより、統合型情報キオスクを導入する必要性を明確にできるとともに、導入コストも抑えることができる。