(2) 調達供給者への教育
調達ネットワークは調達供給者にとっても初めての試みであり、導入当初、特にパソコン等に慣れていない企業にとってはその運用に抵抗感があることも予想される。従って、行政機関としてはこれらの企業の参加を支援するため、教育・指導していくことが必要である。
米国連邦政府でも調達ネットワークの参加企業に対する支援を行っている。その目的は、自らCALSを推進する力のない中小企業を支援し、EC/EDIの普及を進めることでその競争力を強化するものである。運営主体は、エレクトロニック・コマース・リソースセンター(ECRC)というボランティア組織であり、全米11カ所でセミナーやコンサルティング活動を行っている。
日本においてもこのような中小企業を中心とした支援が必要であり、全国的な教育体制の確立が重要である。教育の推進組識は、当面は省庁が中心となって実施主体を結成し、全国的に支部を設置することが現実的であると考えられる。活動目的は、セミナーや勉強会を開催することにより、調達ネットワークの利用を促し、実際の利用方法を具体的に教えることである。また、質問を受け付けるヘルプデスクの設置も有効である。
主な教育内容としては以下のような項目があげられる。
・調達ネットワークの概要と基本的方針
・調達ネットワークの機能
・調達ネットワークの実施範囲
・調達ネットワークの利用イメージ
・調達ネットワークの利用方法
・パソコン等の設置場所
・パソコンの操作方法
・ヘルプデスクの利用方法
結び
本調査研究では行政機関におけるCALSの適用に関する調査研究として、CALSの中でも特に各行政機関共通の業務である調達に焦点を絞って調査研究を行った。
行政機関毎に異なっていて独立して行われている調達の仕組みを一元化するという提言であり、行政機関、企業の双方にコスト削減や時間短縮などの多大なメリットがあると考えられる。しかし、これまでの商慣行が大きく変わること、法律を電子取引に合わせて変える必要があること、主体的に推進する組織がないことから実現には時間がかかるものと考えられる。また、行政機関は現在も調達を問題なく実施しており調達の仕組みを変える必然性は感じていないが、調達に係わるトータルコストダウン、調達参加者に対する行政サービスの向上という観点から意識の改革も合わせて行う必要がある。
調達過程の透明化や調達全体の効率化という点からは調達の仕組みの大幅な見直しは避けて通れない。調達過程の全体最適を実現するために「行政機関から見た調達窓口のシングルフェース」「企業から見た調達窓口のシングルフェース」の確立は必須といえる。行政改革による各省庁の再編等に合わせて提言にある行政機関横断的な調達の仕組みが実現することを期する次第である。