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5-5 法制度の整備(法的アプローチ)

 

現在、日本における法律の多くは、情報化時代に即したものとはなっていない。例えば、自治体ではネットワーク接続禁止条例を定めている団体もあり、そのままでは情報化を推進してもおのずと限界がある。しかし、情報化による危険性も十分考慮すべきであり、その上で見直すべき法律、新たに制定すべき法律を考えていく必要がある。政府調達においても、その電子化に伴って、現在の法律では網羅しきれない問題が発生することが予想される。

米国の例などを参考に、法律面からの改善ポイントを以下にまとめる。

 

(1) 会計法、予算決算及び会計令の電子化対応

調達に関する個々の手続きで面では、国においては会計法や予算決算及び会計令等、自治体においては、自治法等により規定され、業務を実施している。今後、電子的な調達業務を実施していくにあたり、会計法や予算決算及び会計令等をはじめとする調達業務を規定する現行の法制度は、電子的なデータのやりとりによる取引を前提としていないため、調査研究や実験システムを通して、適切な法制度の整備を実施していく必要があると考える。

 

(2) 電子署名に関する法律の制定

情報が紙で交換されていた従来、契約締結などの重要書類は本人を証明する印鑑によってその真実性が保証されていた。しかし、情報を電子的に交換するようになると、印鑑を押すことができないため、電子署名が必要になる。現在の法律では、電子署名による文書の真正性は保証されていない。しかし、ネットワーク社会においては、その真正性に対する信頼性を高め、法律的にも効力を発揮できるよう、働きかける必要がある。

電子署名に関する法制化は海外でも推進されつつある。米国連邦政府においては、同法の草案を検討中であり、ジョージア州、ニューヨーク州などの州でも、準備段階に入っている。また、アリゾナ州、カリフォルニア州など8州においてはすでに法制化を完了し、実施段階に入っている。

 

日本政府では、平成10年1月12日に事務次官会議で、国への申請手続きを簡素化するために、認め印の押印を原則廃止することを決定した。しかし、実印を押印する手続きについては、押印廃止の対象外とし、現行通りとしている。今後、各省庁が省令や通達を改め、一年以内に新方式に移行する予定である。(資料-1参照)。

 

 

 

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