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(4) 新調達協定の締結

 

1987年以降、ガット調達協定の加入国を中心として、ウルグアイ・ラウンド交渉と同時に進められてきた調達部門の交渉では、ガット調達協定本文の改正交渉と各国の譲許案に対する交渉が進められてきた。

その結果、新調達協定は、1994年4月に採択されたWTO設立協定に付属する複数国間貿易協定の一つとなり、公共調達部門の貿易秩序を規律する唯一の国際協定としての役割を果たしていくことになった。

新調達協定は、ガット調達協定と比べると、譲許範囲の拡大、入札手続きの詳細基準設定、異議申立制度の導入、紛争解決手続の強化など、大幅に改善され、WTO体制の中で公共調達部門の国際通商秩序を規律する国際協定としてその役割を果たしていくこととなった。したがって、政府調達部門における国際通商は一層自由に行われることが期待されている。協定の特徴及び主な改善内容は、次のことがあげられる。

 

●従来、ガット調達協定の適用対象機関は中央政府機関のみとされていたが、今回は、政府関係機関及び地方公共団体まで対象範囲が拡大された

●調達の種類は、従来の物品から建設も含むサービスの調達契約に拡大された

●原産地規則が独立した条文で明示された。また、入札手続きを九つの条文に分け、詳細に規定するなど、透明性の拡大が図られた

●政府調達の1回で終了してしまう性格を考慮に入れて、供給者が調達機関を相手取った苦情申立を通じて迅速に権利救済を受けることを保証した

●紛争解決手続きをWTOの紛争手続規定が直接適用されるように強化した

 

しかし、新調達協定では、適用対象の基準となる契約の下限額を引き下げていない、開発途上国の待遇条項が大きく改善されていない、などの課題が残されている。

 

2-3-2 国際調達の一般的手順

 

国際調達では、主に2種類の契約方法が採用されている。一つは一般競争入札であり、もう一つは随意契約である。以下にそれぞれの特徴と手順を示す。

 

 

 

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