(7) 義務の履行(第7条)
協定の運用と加入国間の紛争に関して勧告等を行うことを主要任務とする「政府調達委員会」を設立する。紛争処理については、基本的に当事国間で解決すべきであるが、当時国間で解決しない場合には、紛争事案の調査・検討等を行うアド・ホック・パネル(特別小委員会)を設置したり、政府調達委員会による勧告または決定を行ったり、不利益を受けた国による対抗措置を認める、などの手続きが設けられる。
(8) 協定の適用除外(第8条)
武器、弾薬のような国防上または国家の安全のために必要な物品の調達、公共の秩序の維持、防疫上の必要性等から課せられる制限措置については、この規定の適用対象外とする。
(9) 最終規定(第9条)
協定の発効後3年以内及びその後3年ごとに協定の適用範囲を拡大、修正するための交渉を行う。
*SDR(Special Drawing Right)は、IMFの特別引出権であり、その価値は、主要5カ国の通貨(米ドル、独マルク、日本円、仏フラン、英ポンド)の標準バスケット方式(加重平均方式)によって算出する。SDRを政府調達協定において適用基準としたのは、通貨価値の安定性を図るためであり、自国通貨に換算する基準は、国別に基準時点の以前24カ月間の平均為替ルートであり、これは基準時点から2年間適用される。1995年1月現在、1SDRは約1.47ドルに相当する。
出典:「WTO時代の政府調達」JETRO編から作成
その後、第9条に基づき、同協定の適用範囲の拡大、修正のための交渉が行われ、1987年2月に「政府調達協定に関する改正議定書」が採択された。改正内容の主なポイントは、物品調達対象を「購入、リース、レンタル、割賦購買の方法によるすべての物品調達」としたこと、調達協定の適用対象金額を引き下げたこと、資格審査を最低限必要なことに限定したこと、などである。
政府調達分野はこれまで、国内産業保護・育成の重要な手段であり、その公共性という特質から国家固有主権の行使分野、または、市場経済のルールが及ばない領域であると認識されてきた。しかし、ガット調達協定の成立により、政府調達分野で自由貿易の原則が適用されることとなり、それ自体大きな意義があると考えられる。