a. 概要
ガット交渉によるWTO(World Trade Organization)の新「政府調達協定」での一般競争入札の取り決めについて、都道府県と政令指定都市が適用機関に含まれることとなった。同協定の適用対象となる契約(特定調達契約という)の基準額は、都道府県及び政令指定都市の場合は、工事について1,500万SDR(平成8年及び平成9年においては21億6,000万円)、建築のためのサービス、エンジニアリングサービスその他の技術的サービスについて150万SDR(同2億1,000万円)、物品等及び前記以外の特定役務について20万SDR(同2,800万円)である。
一般競争入札参加の要件は、国の契約とほぼ共通である。ただし、自治体の長は、一般的な入札参加資格(自治法令167条の5)のほかに、「契約の性質または目的により、当該入札を適正かつ合理的に行うために国が必要であると認めるとき」は、加重的に、「当該入札に参加する者の事業所の所在地またはその者の当該契約に係る工事等についての経験若しくは技術的適性の有無等に関する必要な資格」を定めることができる(167条の5の2)。これは「制限付一般競争入札」と呼ばれる。その目的は、入札参加資格に経験や技術的適性の有無等を加えることによって、従来、指名競争入札に頼りがちであった実情を改め、一般競争入札の促進を図ろうとするものである。
b. 実施方法
一般競争入札を実施する場合は、入札参加に必要な資格、入札の場所及び日時その他入札について必要な事項を公告しなければならないことが定められている(自治令167条の6第1項)。公告の方法に関しては、特別の規定はないので、自治体の公報、新聞、掲示その他の方法の中から、広く一般に周知できる手段を選択することができる。ただし、自治体の公報の入手は事実上困難なことが多い。新聞による公告は、広く周知できるという長所の反面、経費がかかるという短所がある。掲示による公告は、最も簡単かつ経済的であるが、広く競争参加者を募るという目的からは、必ずしも合理的とはいえない。今後はインターネット等の新しい方法も視野に入れ、それぞれの自治体に最適な公告方法を採用することが望ましい。その際には、公告方法の基準や規則を設定し、公示しておくことが必要である。
公告の時期に関しては、自治法施行令では規制を設定していない。そのため、自治体の規則によるわけであるが、原則として入札期日10〜15日前を設定している自治体が多いようである。なお、政府調達協定の適用を受ける特定調達契約に関しては、入札書の受領期間は、協定9条の「調達計画への参加に対する招請」の公示の日から40日未満であってはならない。