に餌を与える頻度を?@3〜4日に1回、?Al週間に1回、?B2週間に1回、?Cまったく餌を与えない、の4段階とした(図12)。
実験においては、成虫を前述の実験容器に入れ、これを24時間連続で撮影ができるタイムラプスビデオ(サンヨー製、VZ―TL241)で録画し、後日、テープを再生しながら雄の求愛行動、飛翔行動の有無、飛翔した時刻、飛翔前の行動とそれに要した時間などを解析した(図13)。また、温度計測用のコンパクトデーターロガー(タスコジャパン社製)で継続的に気温を測定し、各行動の見られた時点の気温を記録した。さらに8月と10月の実験では、3〜4日に1回、体表についている水分をよくふき取った後、電子上皿天秤で各個体の体重を測定した。
各月の実験終了後、実験に用いた個体をすべて70%エチルアルコールで固定した後、前翅と小楯板をはずし、実体顕微鏡下で、主に背側板筋、背板基節筋、背板筋の状態を観察した。これらの「飛翔筋」の状態は4段階に分け、飛翔筋が充実し張りのある状態を「グレード?V」、飛翔筋は充実しているが筋繊維がはっきりしない状態を「グレード?U」、飛翔筋は充実せず筋繊維もはっきりしない状態を「グレード?T」、飛翔筋がほとんどない状態を「グレード0」とした(図14)。また、メスについては腹部を切開し、卵巣内の成熟卵の数を調べ、記録した。
結果と考察
1. 飛翔時期
1996年6月から1997年11月までの飛翔実験の結果、飛翔個体は1996年は7月上旬から9月中旬および10月上旬に、1997年は7月下旬から8月上旬および10月に観察された(図15)。この結果は、コオイムシの飛翔が夏から秋にかけて行われることを示しているが、これは野外で飛翔が目撃された時期とほぼ一致する。また、1996年に用いた実験個体のうち、オス1個体が8月上旬と10月上旬に飛翔したので、夏と秋の雨シーズンに飛翔できる個体も存在することが明らかになった。しかし、どの時期に行った実験でも、一部の個体でしか飛翔は観察されなかった。
2. 餌条件と飛翔
給餌頻度の異なる実験区を設定した実験2では、7〜8月の実験と10月の実験において飛翔が確認され、9月の実験では飛翔はみられなかった。7〜8月の実験では、