日本財団 図書館


第2節 大阪府能勢町の水田とため池の水生昆虫群集

 

大阪府豊能町の休耕田を利用して造成したため池の水生昆虫群集の多様性を、既存の稲作水系のものと比較するために、直線距離で約10kmはなれた同府能勢町の棚田とため池においても水生昆虫群集の調査を行った。

 

調査地と方法

 

1. 調査地

調査地は大阪府能勢町森上の標高約300mの棚田に設定した。棚田の上部には水源であるため池があった。この棚田は5枚からなり、上から3枚は休耕田であったが、残りの2枚では稲作が営まれていた。

 

2. 調査方法

調査は1997年7月から12月まで月に1回、計6回行った。主に棚田の最下部の水田内にいる水生昆虫を、目視あるいは水生昆虫網ですくい取って確認し、種を記録した。またあわせて、ため池においても目視による調査を行った。

 

結果と考察

 

1. 確認された水生昆虫の種数

本調査では、カゲロウ目、トンボ目、カワゲラ目、カメムシ目、コウチュウ目、ハエ目、トビケラ目に属する19科41種の水生昆虫が確認された(表2)。また、41種のうちオオアメンボGerris elongatusとアメンボG. paludumの2種はため池においてのみ確認された。

 

2. 豊能町の調査地の水生昆虫群集との比較

本調査地でのみ確認された種は、アオモンイトトンボIschnura elegans、グンバイトンボPlatycnemis foliacea、ギンヤンマA. parthenope、アキアカネS. frequens、マユタテアカネS. eroticum、タガメLethocerus deyrollei、ケシゲンゴロウ

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION