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Hyphydrus japonicur、キイロヒラタガムシEnochrus simulans、タマガムシAmphiops mater、エグリトビケラNemotaulius admorsusの11種であった。また逆に、豊能町の調査地でのみ確認された種は、クロタニガワカゲロウEcdyonurus tobiironis、シオヤトンボO.japonicum、ショウジョウトンボCrocothemis servilia、ウスバキトンボPantala flavescens、シマアメンボMetrocoris histro、イトアメンボHydrometra albolineata、ヒメミズカマキリRanatra unicolor、コマツモムシAnisops ogasawarensis、センブリの一種Sialis sp.、クロズマメゲンゴロウAgabus conspicuus、ミズスマシ、オオミズスマシDineutus orientalis、ホソカの一種Dixa sp.、マルバネトビケラの15種であった。

本調査地では調査頻度が低く、調査期間も短く、また水源がため池であるなどの違いがあり、単純に豊能町で得られた結果と比較することはできないかもしれない。しかし、本調査地において特徴的だったのは、日本最大の水生昆虫であり(市川,1993)、レッドデータブック(環境庁,1991)掲載種でもあるタガメが確認されたことである。また、豊能町の調査地ではのべ9個体しか確認できなかったクロゲンゴロウが多数確認された。つまり、本調査地には大型の肉食性昆虫の生活を可能にする環境が成立していると言える。これらのことは、大阪府においてもため池、水田、水路がセットとなった能勢町のような旧来の稲作水系ではタガメやクロゲンゴロウなどの高次消費者を含む水生昆虫群集が成立すること、豊能町の調査地は造成後1年半ほどしか経過していないが、大型捕食者のクロゲンゴロウの生存を許容する条件が整いつつあることを示している。

 

 

 

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