るもの、ヒメゲンゴロウなどのコウチュウ目などのように、飛来し発見された成虫そのもの、という4つのグループに分けることができる。いずれにせよ、水生昆虫はどこかから飛来することから、都市公園のように、水生昆虫の供給源から遠い場所にため池を造成した場合には、今回のような急激な種数の増加が見られるとは限らないであろう。
4. 個体数、種数の時間的推移
調査期間中の各調査日における水生昆虫の個体数、種数の時間的推移を見ると、個体数は、1996年11〜12月にかけて一度減少したが、1997年1〜3月にかけて増加し、その後は安定して推移した。種数は調査開始の2種から徐々に増加して、1996年9月中旬に18種になるまで増加した。その後、1997年1月上旬に7種にまで減少したが、再び増加し、9月中旬にピークの27種に達した後、12月中旬に10種に減少した(図3)。種数の減少が見られたにもかかわらず、個体数が比較的安定して推移したのは、春から秋にかけてはマツモムシ、ヒメアメンボ、コミズムシ、冬期にはフタバカゲロウの一種やコミズムシというように、各時期に優占種が入れ替わりながら昆虫群集が推移したためである。
5. 各種の密度の時間的推移
1)ホソミオツネントンボ幼虫(図4-1)
1996年は秋に低密度で推移したが、1997年には5月から9月にかけて1996年よりも高密度で推移した。
2)ホソミイトトンボ幼虫Agrionidae migratum(図4-1)
1996年、1997年ともに7月から9月にかけて同じような密度で推移した。
3)オオアオイトトンボ幼虫Lestes temporalis(図4-1)
1996年は秋に低密度で推移したが、1997年には5月から9月にかけて1996年よりも高密度で推移した。
4)シオカラトンボ類幼虫Orthetrum spp.(図4-2)
1996年の9月上旬からため池内で確認されるようになり、そのままため池内で越冬し、1997年6月から7月にかけて減少し、再び9月から高密度で推移するようになった。
5)オニヤンマ幼虫Anotogaster sieboldii(図4-2)