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さらにプログラムが増えることが予想されるので,参加者に対する指導も再考していく必要があるだろう。例えば,班付指導にはリーダーとサブリーダーの2人ずつは指導を行い,活動面と健康管理面でバランスのとれた指導ができるとベストである。また,活動中の移動観察については,今年度はほとんどスタッフを配置することができなかったので,来年度はある程度の人数を確保する必要がある。さらに,水難救助員のような救命・救急に関する資格を取得している指導者を登用することによって,救急体制の充実を図っていくことも重要である。

来年度は10回目の記念すべき事業になるので,実施期間および日数・場所・活動内容・安全管理体制の面からもう一度見直し,さらに充実した事業になるよう改善していきたい。

 

■ まとめと今後の課題

 

以上見てきたように,「白山と能登の海をつなぐ青少年のつどい」を中心にして野外教育に取り組んできたわけだが,課題も未だに多く残されている。

まず第一に,野外教育に関するプログラム開発を,さらに積極的に進めることである。野外教育に関するプログラムはいくつかあるのだが,固定化された認識によって作られたプログラムが多く,ユニークなプログラムが少ないのが現状である。また,年間を通した恒常的なプログラムもほとんどなく,単発で終わってしまうプログラムがほとんどである。それも,夏季に集中して行われることが多い。これからは,年間を通して継続的に取り組め,しかも全体として大きなねらいがあるようなプログラムが必要とされている。

第二に,活動を行う際の安全管理体制をさらに充実させることである。今後,野外教育事業が多様化されてくるに従い,事故の未然防止や事故の発生に備えた事故対策を十分に行うことに加え,参加者の行動上の特性の把握,現地の特殊な気象状況や危険箇所などの詳細な情報の入手,指導者の労働時間や健康管理への配慮など,様々な安全対策が必要になってくる。さらに進めて,参加者に対する安全教育を促進することも,これからの重要な課題になってくる。

最後に,野外教育に関する情報ネットワークの充実である。先に行われた「野外教育全国フォーラム」でも多くの提案があったが,全国的な情報ネットワークをさらに充実することによって,様々な連携が生まれてくるのは確かであり,プログラムの幅も広がってくるはずである。もっと進めて,情報だけではなく,人的ネットワークが充実してくると,先述した指導者やスタッフの欠如に関しても解決の糸口が見えてくるだろう。そのためには,インターネットなどをフルに活用しながら,全国的な広がりでネットワークを広げていく必要がある。

野外教育に関する取り組みは,これからも全国的な規模で拡大していくと思われる。そのような中で,青少年教育施設が担う役割は非常に大きい。それを踏まえて,これからも鋭意研究・努力を続けていきたい。

 

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最後のお別れは握手で…

 

 

 

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