前原 先生がおっしゃったように,若い先生方は,我々の世代からちょっと上の人達とは違うと思うんです。我々の世代は,自分達でやって,それを認めさせようというところがありましたけれども,今の若い先生方というのは,上が言ってくれれば動けるという,そういう発想を持っている人が多いんですよ。ですから,失敗したくないとか,自信がないとか,そういうことに基づいているわけですよね。
僕はそれをいろいろ考えるんですが,やっぱり社会の狭さじゃないかと思うんです。そういう人達は自分の社会しか知らないわけですよ。いろんな職種の人と一緒にいろんなことをやるとか,あるいは自分の学校じゃない人と一緒に何かをするとかということはないですよね。転勤していったって,そこの学校の色の中へ入っちゃえば,その中だけの人間なんですよね。子どももそうなんですよね。自分の学校の中でしか動いていない。
ですから,こういうような総合的にいろんな体験をする場というのがなかなかないものですから,こういう施設にもっとたくさん行って,いろんなところから来た人が集まって,そして喧々諤々やりながら,いろんなものを創っていくということが非常に大事だと思うんです。
角替 そうですね。
前原 私,赤十字の方もやっているんですが,赤十字の方で今いろんなイベントを組むときには,高校生以上の人達を集めて,ボランティアでもってどういうことをやりたいかという企画立案をさせるんです。いろんな学校から来るわけですから,それこそ芸能人みたいなのもいれば,まじめに企画だけを一生懸命やるのもいたりなど,いろんな楽しいことを創り出していくんです。ですから,そういうふうに世間を広げてやるということはすごく必要だと思うので,社会教育施設でこういうことがなされるのかな,それが社会教育のねらいなのかなというふうに考えているんですけれどもね。
単なるカルチャーセンターではダメ
中道 ですから,我々の都市型の青年の家では,今の公民館なんかが従来やっていますように,集客性といいますか,ただ人を集めればいいと。陶芸,英会話,インターネット,中国語など,ブームになってるような魅力あるものを素材にするだけで結構集まっていたんです。
ところが,今はもうそれだけの事業ではだめなんです。いわゆるお茶やお花のような,文化的な素養を身につけるだけで,生きる力を育むことにつながらないのです。
ですから,私が4年前来ましてから,そういう全くの物習い的な講座はカルチャーセンターでおやりなさいと。社会教育施設ではそうじゃないよ,もっと人と人とのかかわりを大事にするような中身の事業はないのだろうかと。
例えばうちでやっているのですが,英会話であれば,その英会話を生かせるように,広島を英語でガイドする。原爆ドームについての広島のことを勉強しながら,ここの部分は英語で案内できますよ……。そういう具体的,そして人とのかかわりを持たせるような事業に3年前か