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一つでというところが多いでしょうから。そういうことで,生きる力ということに果たしてつながっていくかどうかという疑問があるんですね。知識はあるけれども,それを生かせない。

ですから,中央青年の家に伺って野外炊飯なんかをやりますと,薪でしっかり火のたけるところと,そうじゃないところがあるわけですよね。また,キャンプファイヤーのときにきちんと井げたに積むからというので,かまどにも井げたに積もうとする子がいたりとかですね。そういうことというのは,やっぱりやってみてだめであって,火が起きなかった,燃えなかったということで気付くわけですから,実際に体験する場というのは非常に必要になってくると思うんです。

先程も出ましたが,学校は同一年齢でやっています。ところが,青年の家へ随時,興味関心を持った人達が集まってくると,そこには年代の層がありますよね。そういう中でいろいろと上の人から学ぶ,あるいは年下の人をリードしていくということを勉強していく。学校では,中学校では3学年,小学校では6学年しかありませんから,(理論としてやっている場面はたくさんありますが)実際に10歳も違うような人との交流というのはあまりないわけですからね。そういうことを考えると,こういう青年の家などの充実というんですか,もっともっと開放して,たくさんの人が気軽に行けるように……。

それから,生きる力につながるというのは,木をとってくるとか,本当に自分が何もないところから始めなくちゃいけないと思うんです。そういう自然体験のできる青年の家のような存在は,学校教育としては非常に必要としているところなのです。

ただ,そういうところというのは今の都会の近くではないわけですから,やっぱり何時間もかけて行かなくちゃいけない。まあ,そういうふうにして行くからこそ喜びもあるんでしょうけれども,なかなか頻繁には体験できないという辛さはありますね。

 

個性を尊重する態度

 

司会 なるほどね。学校ではいろいろな知識は得られるけれども,実際に体験をすることはできないので,それを青年の家で体験することが必要であるというお話でした。

いろんな体験活動があると思いますが,中道先生,さっき広島の例を教えていただきましたけれども,体験活動について,特に注意した点,力を入れた点ということがありましたらお話しいただけますか。

中道 そうですね。我々の場合には,個々ばらばらで来るわけですから,やはり,一人一人を大事にしてやる,いわゆる個性を尊重する態度を持たないといけない。そして,その中で価値観を持っていかなきゃいけない。ところが,今の若者達は非常に多様性を持って,てんでんばらばらで来るわけです。

まちづくりボランティア講座であるとか,そういった講座の魅力によって彼らが集まってきて受講するわけなんです。青年の家の職員が企画立案した事業に参加していただくこと,これがまず第1段階なんですけれども,次の段階で,参加した青年に次の企画立案を考えていただくことを,今,私どもの施設では一番考えております。事業によっては「企画立案をあなたもしませんか」と。

例えば,「青年の家の館外広報紙を作りませんか」と募り,20人ばかり集まりました。5回位,講座を組んで,広報紙作りのプロから勉強して

 

 

 

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