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タッチングします。耳を引っ張ったり毛を引っ張ったりするんですよ。それでも太郎は怒らない。ずっと我慢していますね。そういう形で、人間に飼われた1歳のチンパンジーとボスが交流しますよね。それでラポール関係をつくっちゃう。つくって今度は群れに返します。そうすると、やんちゃ坊主がまたいじめに来るんですよ。そのときに太郎が待ったをします。本当にこうやるんです。待った待った。

それで、何かうちのボスが待ったをしている。だから、いじめてはいけないかなと思うようになる。言いたいことは、リーダーが媒体となって新しい人と適応していくようになる。

教師とか大人というのは、不登校の子供たちは非常に緊張します。それが、お兄ちゃん、お姉ちゃんという方を中に出すことによって、だんだんだんだん人間関係能力と申しましょうか、それができてくる。それでパワーアップしていく。終わると、手紙とか電話で学生と子供とのネットワークができますよね。

言いたいことは、最適空間というのはこういう形のさまざまな場面がある。これが一番いい最適空間というのはないんですね。特に言いたいのは、子供の視点に立って考えてほしいことです。

施設に行きますと、よく部屋の名前がございますよね。青年はいいんですけれども、少年自然の家に行きますと、施設の名前は漢字が多いんですよ。そのネームプレートを、子供たちが見上げて見ています。何で子供の目線のネームプレートがないんでしょうか。

例えば千葉の浦安の図書館は利用率はナンバーワンですよ。あそこに行ったらわかりますけれども、大人用の雑誌と子供用の雑誌では本箱の高さが違いますからね。当たり前ですけれども、いすの高さも違う。子供たちの目線で本が見えるんですよ。

建設省でさえ利根川を漢字で書いていませんよ。平仮名で「とねがわ」と書いています。漢字で書くと、あれは「りこんがわ」と読めますよね。要するに、子供たちに読んでもらうような配慮をしているわけですよ。

栃木に鬼怒川というのがありますね。鬼怒川温泉。あれはなかなか漢字が読めないんですよ。鬼が怒った川なんて、みんな知らないですよ。それを建設省の名札で「きぬがわ」と平仮名で書いていますよね。建設省さえも非常にやわらかく発想の転換をしている。やっぱり子供たちの心のことがわかっているんですよね。そういうことをぜひ考えていただけるといいかなと思います。

とにかく社会教育の時代なんです。その社会教育の発想から、最適空間は何ぞや。例えば私が所長になった場合、『少年ジャンプ』の創刊号から全部そろえますね。あの青年の家に行けば『少年ジャンプ』が全部そろっている、バックナンバーがそろっている。これは魅力ですよ。頭がかたい人は、すぐ、漫画はいけないという。とんでもないです。漫画ほどおもしろいものはありませんよ。

私は漫画研究をやっております。なぜ始めたかと申しますと、私は『少年ジャンプ』を今はもう読めないんです。10年前から読めないですよ。大人の漫画は読めるんですが、なぜか『ジャンプ』は読めない。そこで研究が始まったのです。多分皆さん方、「ベルばら」は読めませんよね。読める方は相当若いです。「ベルばら」はなぜ読めないか。少女漫画はなぜ読めないか。それは漫画のルールを理解していないからです。例えば『少年ジャンプ』を読みますと、1、2、3という番号を振っていませんよ。大人の漫画は全部番号を振っていますよ。だから、縦に読むのか横に読むのかわかるんですけれども、『ジャンプ』は下に読むのか横に読むのかわかりませんよ。こういう記号があるんですよ。これがたくさんあります。

言いたいことは、発想を転換していただいて、いろんなことからまず地域の理解をしてほしい。それから個性を出してほしい。3番目にら青年の最適空間は何であるか考えてほしい。最後に一言申し上げます。文言にはなっていませんけれども、議論したことは、女性の所長さんを抜てきしようじゃないかとか、公募制はどうかとか、契約は5年はどうかとかということです。

例えば千葉県で申しますと、今年、女性の専門職員を東金の青年の家に出しました。もう1つは妙高少年自然の家に1人出しました。今まで施設の中で女性の方は何か無理だという発想が根強くあるんですよ。

 

 

 

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