また大臣がやってくる。国際政治の舞台で、いわゆる食の外交というのはあるんですね。日本人の食べ方というのは国際的なマナーから言うと最悪ですね。英国などでは、「ジェントルマン」になるための教育というのがあるぐらいです。
本来であれば、食育なんていうのは家庭で行われるべきですよね。はしの持ち方、それと、スープの飲み方というのは学校でよく習いますよね。ずるずると音をさせちゃいけないから、少し上に上げてかむようにあれはいただくんですよと、こうなるんですけれども、大体日本の代議士さんというのは、勉強はできる人は多いんでしょうが、できないかな、わかりませんけれども、育ってきた環境が、そういう国際的に認められるようなマナーを教養として身につけることなく世の中に出ちゃったということです。
国際舞台で活躍する開発途上国の方々にお目にかかりますけれども、皆さん、大体ハーバードだとか、ケンブリッジだとか、ソルボンヌだとか、国際的な名門校の経験をしながら社交というものを習ってきているんです。ところが、日本の方はそういうものを一切なしにある位置につけられてしまうことで、どうも外国人の人から見ると、何か野蛮な立ち振るまい方をしていると映るようですね。こう言いますと、何か私も、外国かぶれしている意味で申し上げているんじゃなくて、出るところへ出たらやっぱり外交で非常に大きな力を持つんじゃないかなというふうに思ってきたものですから、食育というものをこれから進めていきたいなと言ってきたわけです。
機会がございましたら、ぜひ食育というものを一度何らかの形でご検討いただきたいし、きょうはそういう方々がお集まりじゃないかなというふうに思いましたので、冒頭に強調させていただきたいなと思っています。
世界で一番長寿な国になりました。女性が82歳以上、男性が75歳以上ということで、11年間、女性が世界のトップ、男性が10年間ということでやってきていますけれども、ただ、問題があるんですね。寝たきりと、それにぼけという人たちが非常にふえてきていますね。ですから、健康体で長生きしている人が少ないんですね。この辺がまた問題なんです。
長生きというものを実践した人がいますので、ここでちょっとご紹介しておきます。徳川三代に仕えた方で、天海和尚という方です。上野に寛永寺がございますが、そこに石碑が立っておりますので、機会がありましたら、一度そこをごらんになられるといいんですが、「長生きの歌」というのが刻まれているんです。家康から家光まで、やはりこの方の影響を受けたそうで、「長生きは粗食、正直、日湯だらり、時々下風あそばれたし」というんです。別にフランス語じゃないんですけれども。
長生きは「粗食」がいい。当然ですよね。私なんかちょっと過食ぎみでございまして、体脂肪というのが今よく言われるんですが、皮下脂肪じゃなくて、体脂肪というのはご存じですか。内臓につく脂肪、これが一番危ないんですよね。体脂肪測定器なんていうのがありますよ。私もやりましたが、「やや危険」というのが出ましたね。こんなことを言っている本人がやや危険じゃいけないんですけれども、どうしても時間が不規則、食べる時間が不規則というので、僕が一番実践しなきゃいけない立場ですよね。
そんなことで、粗食というのは腹七〜八分目ぐらいがいいんじゃないかとこのごろ言われるようになってきました。昔、銀座のおもらいさんは大分糖尿だなんて言われていたんですが、今はあそこに野良犬とか野良猫がいるんですが、これが大体糖尿ですね。殿様病と昔言われたので、やはり非常に豊かになるとかかる病気なんです。本当にネズミも何か丸々しちゃって、猫かなと思うほど大きいんですよね。そんなことで、動物社会の中にもいろいろ影響が出ています。粗食、これがいいんですよ。
「正直」。今は正直でない人がふえましたから。皆様のご友人とかよくご承知の方で正直な人がおられませんか。何でもずけずけ言える人のことです。これでは、ストレスがたまらないわけです。僕はどちらかというと、うそつきなのかどうかわかりませんけれども、なかなか本当のことを言えないですけれど、これもストレスをためないという意味でうらやましいです。
「日湯だらり」。これはお日様の日にお湯と書くんです。