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その間にはまた野外教室を実施するだけでなくて、ポスターやさまざまなメディア、例えばインターネットなども使って野外教育に関する啓発活動を行っていく予定であります。

しかし、8月にいきなりこういう月間を設けて事業をするといっても大変難しいことでありまして、多少地ならしといいましょうか、準備が必要であります。そのために、この月間に先立つ時期、6月28日から29日の2日間を予定しておりますけれども、「自然」「体験」「生きる力」の3つをキーワードにしまして、これをテーマとする野外教育の全国フォーラムをこのオリンピック記念青少年総合センターで開催することにしております。このフォーラムには、全国でいろんな立場から野外教育にかかわる活動をしておられる関係者に一堂に会していただいて、そこで青少年の野外教育を推進する上でのさまざまな課題について議論していただきますし、また、その野外教育を充実するための方策等についても活発な協議、あるいは情報交換を行っていただきたいと考えているわけであります。したがって、二段構えで、まず全国の関係者に集まっていただいていろんな議論をしてもらう。それをベースにして、8月には野外教育推進月間を設けて、全国で具体の野外教室を実施していただく、こういうことを考えているわけであります。

もちろん野外教育というのは、何もこうやって文部省が大きな声を出さなくたって、実際に今でもあちこちで行われているんですね。恐らく皆さんの施設でも行われていると思うんです。ただ、それは、どちらかというと、それぞれの施設で、あるいはそれぞれの熱心な関係者の努力で行われているけれども、全国的な観点からいうと、点でとどまっているわけです。それを結んで面にしたい。それを通じて全国の子供たちというよりも、もっといえばお母さん方なんですけれども、全国のそういう親御さんたちに野外教育は大事なんだという気持ちを持ってもらいたい、これがねらいなんです。

したがって、その野外教育を全国的な運動として展開していくことによって、点から面への広がりを持たせていく。そして、1人でも多くの子供達にそういう野外教室、野外教育の機会をつくっていきたい。そして、1人でも多くの親に野外教育に対する理解や感心を深めてもらいたい、こういうことを念願しているわけであります。

既に皆さん方の各青年の家におかれては、こういう子供たちの、例えば科学離れとか環境問題に対する取り組み、あるいはボランティア活動に対する取り組みといったことを念頭に置きながら、様々な活動を展開されておられることには心から敬意を表したいと思います。今後もそういう活動をぜひ充実させていただきたいし、そして、その中で、今申し上げた野外教育というのを大きな柱に据えていただければありがたいと思うわけでございます。

本日から始まりますこの会議においては、後ほどまた講演あるいは情報交換が行われると伺っておりますけれども、どうぞこの8月の野外教育推進月間に向けて、何かプラスになるような議論をここで行っていただければありがたいと思っております。

言葉が足りないかもしれませんけれども、文部省として、皆様に非常に大きな期待を寄せているということをぜひご理解いただきたいと思いますし、これは文部省だけではなくて、社会からの期待が皆様方に寄せられているということをぜひご理解いただきたいと思うわけであります。そういう社会の期待にこたえて、実り多い議論、情報交換がここでなされることを心から期待をいたしまして、そして、皆様方の今後のますますのご活躍をお祈りいたしまして、簡単ではございますけれども、あいさつとさせていただきます。どうもありがとうございました。

 

 

 

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