開会式
来賓祝辞
文部省生涯学習局長 草原克豪
皆さん、おはようございます。平成9年度の全国青年の家等施設代表者会議が開催されるに当たりまして、こうして皆様とお目にかかり、また、ごあいさつをする機会が与えられましたことを大変うれしく思っております。
まず初めに、皆様方には、全国各地の青年の家において、日夜青少年教育の振興、充実に多大なご尽力をいただいております。このことに対して、まずお礼を申し上げたいと思います。
既に皆様、ご案内のことでございますけれども、昨年7月の中教審の第1次答申においては、今後の教育の在り方について「〔ゆとり〕の中で、子どもたちに〔生きる力〕をはぐくんでいくことが必要である」ということを基本として展開すべきであると言っております。そして、その中で、そのためには、子どもたちの生活体験、自然体験の機会をふやす必要があると提言しているわけであります。また、既にお目通しいただいたと思いますけれども、文部省の生涯学習局に置かれた青少年の野外教育の振興に関する調査研究協力者会議の報告においても、生きる力を育成する上で野外教育が大変重要な役割を果たす。そういう観点から、その具体的な充実策を提言しております。
これはもう釈迦に説法ですけれども、子どもたちは、野外教育を通じて自然環境に対する興味や関心を抱くことができますし、また野外教育を通じて、自然と人間の望ましい在り方を学ぶことができますし、また野外教育を通じて、感動する心や自主性、忍耐力、判断力、協調性、責任感、こういった重要な資質を養うことができるわけであります。このような野外教育というのは、もちろん子どもたちがこれから人間として立派に成長していくためには大変重要でありますけれども、それだけではなくて、生涯にわたって自然に親しんで、生涯にわたって豊かな人生を送るためにも、その基礎として、あるいはその手段として重要なものであると思っております。したがって、今後この野外教育の一層の振興を図る必要があると私どもは考えているわけです。
こういう考えに立って文部省では、今年度から新たな事業を展開します。新たな事業といいますのは、野外教育を振興するための一大キャンペーンと言ってもよろしいんですけれども、この野外教育振興キャンペーンを展開することといたしました。具体的には、7月20日から8月19日までの1カ月間を「青少年の野外教育推進月間」といたしまして、その間に、文部省だけではなくて、関係の多くの省庁の協力も得て、広く全国の人々の間に野外教育の意義について理解を深めていただくための事業を実施したいと考えているわけです。
実際にどういうことをするかといいますと、まず、国レベルで申しますと、この国立オリンピック記念青少年総合センターや、あるいは全国に27カ所あります青年の家、少年自然の家において6泊7日以上の野外教室を実施することを計画しておりますし、さらに、国だけではなくて都道府県にも呼びかけて、それぞれの地域において、皆様方の青年の家などを中心にして各種の青少年教育施設を活用して、同様の野外教育のモデル事業を行っていただきたいと考えております。そして、この夏休みの推進月間中に野外教育活動を全国的な規模で展開するというのがねらいであります。