最後に、隣りに転居してくる精神障害者受け入れの条件について(表?-6)、男女とも「20〜39歳」では、「困ったとき大家・近隣が相談できる体制」や「病状・状態を大家や近隣に説明」が多い。情報を開示し、具体的な困難事項が生じたときに対応する合理的な条件を提示している。一方、「60〜74歳」では「本人が定期的に病院へ受診する」が多くなっている。また、女性では「作業所通所など社会復帰の努力をする」など自助努力を評価する情緒的な条件が多く示されていた。
2) 年齢・学歴別区分によるセグメントの分析(表?-7〜?-10)
前項と同様に年齢階層を、?20〜39歳、?40〜59歳、?60〜74歳に区分し、それぞれを学歴が、?義務教育か高校(中高卒と略称)、?短大・大学以上(大学卒と略称)の別に層化して分析を行う。
まず、精神保健に関して知りたいことについては(表?-7)、年齢別較差は前項のとおりである。学歴別には、大学卒の「20〜39歳」に「学校生活」や「高齢者の介護」が多く、中高卒の「40〜59歳」に「高齢者の介護」が多くなっている。
精神保健に関する情報入手希望経路に関しては(表?-8)、大学卒の若年者に「新聞や雑誌の記事」や「本やビデオ」が相対的に多く、中高卒に年齢を問わず「テレビやラジオ」が多くなっている。また、「ストレスを受けたとき相談したいところ」については、大学卒の若年者で「専門のカウンセラー」が多く、中高卒の「60〜74歳」で「かかりつけの医師」が多く選ばれている。
次に、精神保健に関するメッセージの効果に関しては(表?-9)、全般効果指数ではやはり若年者への効果が著しい。一方、低認知者改善指数については、大学卒の改善度が年齢によらずに認められた。
好きなキャッチフレーズについては(表?-10)、「人間らしく生きたい」と「心に平和を」が中高卒の「60〜74歳」に多からた。一方、「ゆっくり生きよう」は大学卒の「40〜59歳」に多く、「ひとりひとりがひとりじゃない」は大学卒の「60〜74歳」に多く選択されている。
隣りに転居してくる精神障害者受け入れの条件について、表示しないが、前項で示した年齢別の傾向はあるものの、学歴には差が認められなかった。
3) 年齢・市町村規模区分によるセグメントの分析(表?-11〜?-14)
これまでの分析と同様に年齢階層を、?20〜39歳、?40〜59歳、?60〜74歳に区分し、それぞれを、居住地の市町村人口規模が?30万人以上(大都市)と、?30万人未満(中小都市)の別に層化して分析を行う。
まず、精神保健に関して知りたいことについては(表?-11)、大都市の「20〜39歳」はほぼあらゆる領域のニードが中小都市の「20〜39歳」に比較して高くなっている。これに対して、中小都市の「60〜74歳」は大都市の同じ年齢層に比較して多くの項目で多数のニードが表出されている。 しかし、「高齢者の介護」については大都市の方が高くなっている。