日本財団 図書館


3. 親亡き後をいかに生きるか

 

新潟夕映えの郷 丸山 ひろみ

 

ここ数年の間に、障害者基本法や精神保健福祉法ができ、精神障害者が利用できる社会資源もずいぶん増えてきた。当事者自ら発言するようになったり、家族教室など家族を支える場も少しずつ広がって来ている。

しかし、依然として、圧倒的多くの精神障害者とその家族は、孤独から解放されていない。精神障害をもつ人の生きづらさは、想像を絶する。

孤独からどうしたら抜けだせるのか。自尊心と誇り.張り合いをどうしたらもてるのか。生きているという実感をどうしたら掴めるのか。どうしたらもう少し楽に生きられるのか。

あまりに問題が大きく、すぐにいい答など見いだせないが、家族の方にお願いしたいことは、“本人を1人(1家族)だけで丸がかえして孤立することはやめよう”と言うことである。家族が丸がかえせざるを得なかった歴史があることも事実だが、もういいかげん肩の荷を下ろしてもいいのではないか。家族が自己犠牲的になっても、長期的にはストレスがたまることが多く、よい方向には行かないのではないか。

一歩踏み出して、思いを伝えてみよう。自分の殻を破って心を許せる隣人をもとう。家族が情報や知識をもち、広い視野に立って、かつゆとりをもって拘わることができれば、何かが変わるはずである。家族ができないことは無理しないでいいから、やれることと、やれないことをはっきりさせ、できないことは他にゆだねよう。なんでも相談できる仲間や協力者をもとう。一歩踏み出すことは勇気がいることかもしれないが、一歩踏み出してみると、案外利用できる資源が身近にころがっているかもしれない。思わぬところに協力してくれる人がいるかもしれない。

いずれにしても、本人が主体的に生きていけるように、家族もまた少し自由になることを提言したいと思う。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION